神戸大学 学生広報誌『door』Vol.01
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に通い始めた。きっかけは、タップダンスを教える母親の勧めだった。「音楽のリズムと自分の動きが交じり合うことが純粋に楽しかった」と振り返る。中学時代も教室に通い、高校時代は学校のダンス部で活動した。入部当初、男子は1人だけ。そんな状況でもまったく気にならず、部員と一緒にダンスを創り上げていく日々は「青春そのものだった」という。高校1年の終わりごろからはコロナ禍となった。休校が続いた時期は、毎日のように公園で踊った。「好きなダンサーの真似をしたりしながら、ひたすら踊っていました。今思えばそれが成長につながり、受験にも生きたと思います」大学ではさまざまな分野の授業があるが、やはりダンス関連の科目が楽しい。周囲の学生の表現は十人十色で、多様性に刺激を受ける。サークル活動は、Kループなどのダンスを踊る「ル)」に所属し、今年から代表を務める。学外では昨年、テーマパークのダンサーとしてEtoile( ー    ■ ー POPグうえはしかんや:2003年、尼崎市出身。尼崎稲園高校を卒業し、2022年、神戸大学国際人間科学部発達コミュニティ学科入学。入学前の神戸大学のイメージは「堅苦しすぎず、キラキラしすぎず、ちょうどいい感じ」で、入学後も変わらないという。尼崎市在住。踊る経験もした。大勢の観客に囲まれて踊るのは初めてで、自分のダンスを熱心に見てくれる人々の姿に心を動かされた。 「テーマパークで踊ったり、サークルで初心者に教えたりすることで、多くのことを学べていると思います。大学に入ってから、表現の方法も技術も進化した気がします」。表現者として目指すのは、ジャンルにとらわれないオリジナルのダンスだ。特定の分野を専門的に学ばず、独学で歩んできたからこそ、できるのではないかと感じている。将来の夢は「ダンサーが夢を持ち、ダンスで生きていける社会をつくること」。才能があっても、生活のために踊ることを断念する人がいる現実を変えたいと願う。夢の実現に向けた土台づくりとして、大学時代に取り組みたいと考えているのが、Kのダンスコンテストなどのイベント企画。ダンスに関連するSNSの発信にも力を入れたいという。最近、福山雅治さんの歌「生きてる生きてく」の一節に共感した。 〈大きな夢をひとつ持ってた/恥ずかしいくらいバカげた夢を/そしたらなぜか小さな夢が/いつのまにか叶■ってた〉 「この歌詞のように、漠然としていても大きな夢を持ち続けたい。そうすれば小さな夢がかなっていく。今までの自分を振り返っても、そうだったように思います」エトワーPOP神戸大学には多様な分野の才能を発揮する学生がいる。その一つが音楽や舞踊などの芸術・創作分野で、入学時の選抜にも取り入れられている。国際人間科学部発達コミュニティ学科の3年生でダンスを専門とする上橋勘弥さん(20)に、大学生活での学びや将来の夢などを聞いた。発達コミュニティ学科の入学試験には、総合型選抜の一環として音楽、美術、身体表現の「表現領域受験」がある。入学後は、それぞれの分野で理論と実践を総合的に学ぶ。子どものころからダンスに熱中してきた上橋さんは、「身体表現」の分野を専門的に学ぼうと神戸大学を選んだ。小学校高学年からストリートダンス教室上橋勘弥さん (国際人間科学部3年)SENSATIONAL STUDENTSこの神大生がすごい0101ダンスの世界で大きな夢に向かって

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