民法の授業は1年生の後期の民法Ⅰから始まります。民法Ⅳまでの4科目を2年間をかけて学ぶことになります。このように多くの時間をかけて、たくさんの授業を通じて民法が扱われるのは、民法が私たちの生活の多くの事柄に関係していることによります。みなさんのこれまでの生活では法を意識することはほとんどなかったかもしれません。しかし、実は、皆さんが本を買ったり、電車やバスに乗ったりすることや、親子の関係や相続といった家族に関することなど、社会の多くの事柄に他の法律と一緒に民法が関わってきます。また、他の法律において民法・民法学が基礎になっていることが少なくありません。このように様々なことに関わってくる民法を皆さんが少しでも楽しんで学修するきっかけの1つとなるような、そういう授業を提供できればと思います。 神戸大学法学部は、法学・政治学の内容を正確に身につけることができるよう、授業を提供しています【表Ⅰ】。1年生や2年生の段階では、法学・政治学の各分野の基礎的な演習・講義を幅広く提供し、自分の適性を発見してもらい、3年生のときにコースを選択してもらいます。 【表Ⅰ】学年ごとの科目配当イメージ 神戸大学法学部では、比較的多人数を対象とした講義形式の授業のほか、その発展・補充を目的とした少人数の演習形式の授業が充実しています。(詳細については、以下のURLより法学部カリキュラムポリシーをご参照ください。) URL:https://www.kobe-u.ac.jp/documents/campuslife/edu/policy/f04_cp.lo_2022_2.pdf科 目1年生2年生 初年次セミナーは、大学生活を送るうえで必要な「ルール」を知るとともに、法学部で法学・政治学を学ぶために必要となる、基本的な考え方や技術を身につけてもらうことを目的としている授業です。1クラスの規模は20名ほどです。 授業の内容や進め方はそれぞれの担当教員に任されていますが、私のクラスでは、国会や内閣のあり方をテーマにして、文献の調べ方やまとめ方を学んでもらい、討論や発表を実習してもらった上で、各自に小レポートを学術ルールに則って作成してもらいました。 わずか半年の授業ですが、「神大法学部生」としての基礎を身につける大切な機会になっていると考えています。3年生4年生入門科目(実定法入門、法社会学入門、現代政治入門)演習科目(初年次セミナー、3・4年次演習)基礎科目(法解釈基礎、社会分析基礎)基本法律科目(憲法、民法、刑法、商法、行政法など)政治・国際関係論科目(政治学、政治文化論、国際政治経済など)法社会学科目(法社会学概論)基礎法科目(法哲学、西洋法史、英米法など)展開・発展科目(労働法、知的財産法、環境法など)国際法科目(国際法)応用法律科目(応用憲法、応用民法、応用刑法など)神戸大学法学部の特長② 米倉暢大 准教授(民 法)(初年次セミナー)安井宏樹 教授講義による専門科目少人数教育充実した教育体制
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