神戸大学 大学院経済学研究科・経済学部 2024
11/38

scimonocE foytlucaF経済学部 教員の具体的な研究業績については,神戸大学大学院経済学研究科・経済学部ウェブサイトをご覧ください。URL: https://www.econ.kobe-u.ac.jp/staff/日本とアジア経済 アジア経済,中でも中国経済の動向は世界経済にとって大きな影響力を持ちますが,その実態は意外に知られていません。米国による経済制裁や,進行する少子高齢化といった深刻な問題を抱える中国経済は,今後も成長を続けられるのでしょうか。それを検討することは,今後の日本経済の行方を考える上でも重要な意味を持っています。ヨーロッパ経済 ヨーロッパには,欧州連合(EU)という超国家機構があります。加盟国は27ヵ国,人口は4.5億人,アメリカとほぼ同じ経済規模を持ち,グローバルスタンダードに強い影響力を持っています。周辺国、世界に経済的影響を持ち、政治的な地位も占めています。EUを勉強することで経済統合に伴う利害が理解できるだけでなく、日本の将来を考える上でもとても重要です。アメリカ経済論 アメリカ経済は,世界最大規模である上に,様々な革新が活発に生じているので,その動向は日本を含めた多くの国々の経済に影響を及ぼしています。アメリカ経済の構造や特徴について学ぶことは,世界の経済の行方を考察する上で欠かせません。日本経済を相対的な視点から眺めることが可能になるという利点もあります。農業経済学 農業は生命に不可欠な食料を生産し,環境等に対し貨幣で測ることのできない価値を持つ重要な産業です。講義では,農業が他の産業とどのように異なるか,農業の経済への貢献,非経済的意義は何かについて解説します。また,グローバリゼーションの中,日本や世界の農業政策はどうあるべきかについて考察します。経済倫理と思想 経済社会の諸問題やその動向を考察する際には,経済学的な視点だけでなく,より広い視野が求められます。「経済倫理と思想」は,企業の社会的責任,長時間労働と過労死,格差問題などの経済倫理的諸問題を議論するとともに,大きな時代の流れの中で経済社会全体の枠組みを考察することによって,学生の皆さんがより広い視野を身につけられるようにするものです。環境経済論 環境問題は,企業の生産活動や家計の消費活動が原因となって起きます。したがって企業や家計がどのような行動原理に従って経済活動を行っているのかを理解しなければ,環境問題がなぜ発生するのか,どのようにすれば抑制できるのかを考えることはできません。環境経済論は,経済学的な視点や分析方法を用いて,環境と経済のつながりを理解し,有効な政策を検討することを目的としています。現代技術論 イノベーションは,資本主義経済のエンジン(原動力)だと言われ,近年ではかつてないほどに重要視されています。では,イノベーションとは一体何なのでしょう(技術革新のことでしょうか)。また,イノベーションの利益はどのように保護されるのでしょう(特許を取ればいいのでしょうか)。現代技術論では,企業等のイノベーション活動を経済学の視点で理解することを目指しています。産業組織論 産業組織論では,各産業の原材料の生産から最終製品が消費者に届くまでの企業間の垂直的な取引関係と,それぞれの取引段階(市場)での企業間の水平的な競争関係を分析し,社会的厚生の観点から評価します。さらに,政府による市場・産業への介入(=競争政策・産業政策)の効果や是非について研究します。労働経済学 私達の多くは自分の時間を削って企業などで働くことで生活の糧を得ています。労働経済学は,市場や組織内部において,労働サービスの取引を行う労働者や企業の行動原理と,その取引を規制する政府の政策を経済学的に分析することで,貧困や失業などの様々な社会経済的な問題の解決策を考えることを目的としています。社会政策 日本の経済社会は,大きな「質的・構造的変化」に直面しています。すでに「人口減少社会」を迎え,高齢者が増加するとともに,様々な「社会問題」に直面しています。講義では,社会保険・社会福祉を柱とする社会保障の課題や,新しいコミュニティづくりを担うNPOやボランティア・グループの役割について議論します。法と経済学 「法と経済学」は,法が人々の行動に及ぼす影響を分析するとともに,法・制度を社会的な望ましさの視点で分析します。神戸大学経済学部では法学部と共同で,「エコノリーガル・スタディーズ」を提唱しています。これは経済社会の問題を経済学と法学の複眼的思考で総合的に解決しようとするものです。09

元のページ  ../index.html#11

このブックを見る