神戸大学 経営学部 2024
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 神戸大学経営学部は、図1 に示すように、学部と大学院の一貫教育のプログラムを複数用意しています。「KIBER・KIMERA・KIMAP」(16‒17ページ参照)は、留学を含めて5年一貫で修士号を取得できる英語教育プログラムです。「経営データ科学教育プログラム(DSP)」(13ページ参照)は、データを使って経営を科学的に分析するプログラムで、こちらも5年一貫で修士号を取得できるコースを用意しています。5年一貫コースを経て、産業界に出てもよいですし、さらに後期課程に進学し研究者を目指すこともできます。 神戸大学経営学部が、このように大学院に重点をおいた教育プログラムを展開する理由は、企業経営の世界が複雑化し、経営学の教育内容が非常に高度化しているからです。すでに欧米では、経営学の教育研究は学部レベルを超えて、大学院にその重点を移しています。神戸大学経営学部は、いち早くこの流れに乗り、1998 年に、日本における単なる最初の経営学系の大学院大学になりました。「大学院大学」とは、教員の所属が大学院に移り、学部は兼務になるということです。すでに、理科系学部では、大学院進学が標準的なコースになっています。社会科学系でもその日は近いので、大学院もぜひ視野に入れて、勉学に励んでください。 また、神戸大学が併設している専門職大学院は、社会人のためのMBAプログラムです。こちらは大学を卒業して、一定期間の勤務を経た社会人を対象とし、授業は原則として金曜日夜間と土曜日に集中させて、働きながら1.5年で学位を取ることを可能にしています。神戸大学MBAプログラムは、1989年に始まった日本で最も伝統のあるMBAのひとつで、産業界から高い評判を得ています。経営学を勉強する意義は、会社に勤務して初めて理解できる面もあります。そのときに、神戸大学経営学部は、MBAプログラムとして、再び皆さんに門戸を開いていますので、このことを卒業後も常に念頭においてください。的資本経営研究教育センター」の3つのセンターを設置して、経営学部の教育と研究の充実を図っています。さらに、企業の寄附によって講義を担当いただく、「寄附講義」の制度を導入し、この制度を活用することで、従来の経営トップによる「トップマネジメント講座」の充実を実現しました。 しかし、オープン・アカデミズムのより本質的な側面は、経営に関する問題の現実の変化を踏まえながらも、ビジネス社会の時流論理を超えた知見と洞察を、教育と研究の場で生み出すことにあります。それは、問題の本質を客観的により広く考えることに他なりません。明日の企業経営者を教育し、企業人よりも長く広い視座から経営問題を研究するところに、教育・研究機関としての神戸大学経営学部の基本機能があるからです。学部と大学院の一貫教育理論と実際の調和 このような経営学部・経営学研究科の教育とそれを支える研究の基本理念は、「オープン・アカデミズム」という考え方です。ここにオープンとは、経営学の研究対象であるビジネス社会の現実問題をすばやく教育・研究対象として取り上げるとともに、その成果を社会に発信して批判を受けるということです。アカデミズムとは、このような教育・研究を大学の主体性・自律性において行うということです。 このオープン・アカデミズムを定着させるために、神戸大学経営学部は産業界との連携を強めています。その代表例は、企業の寄附による研究教育センターの設置です(15ページ参照)。令和5年4月1日時点で、三菱UFJ銀行株式会社の寄附による「ファミリービジネス研究教育センター」、株式会社日本M&Aセンターの寄附による「中小M&A研究教育センター」、株式会社インソース創業者の寄附による「人5

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