「人材 」の創出Ⅰ 価値創造ストーリーⅡ 価値創造のための戦略Ⅲ 神戸大学の現在地TOP IC S菊池 誠 教授(大学教育推進機構教養教育院長)本学は、専門分野における傑出した研究能力と俯瞰力を備え、学術の最先端を切り拓く先進的な卓越人材や、高度な専門性と大局的な視座をもとに、課題の発見・定義・解決を通じて社会に変革をもたらす実践的な卓越人材の育成を使命としています。そのため本学では、すべての学生が「高い倫理性と、知性、理性及び感性の調和した豊かな教養」「伝統的な思考や方法を批判的に継承しつつ、自ら課題を設定し、創造的に解決できる能力」「多様な価値観を尊重し異文化を深く理解する力と、それを支える優れたコミュニケーション能力」「それぞれの職業や学問分野において指導的役割を担うことのできる、深い学識と高度な専門技能」を本学は2025年度より教養教育を大幅に改革しました。従来の複雑な制度を大幅に単純化して、学生の履修計画の作成を容易にし、教育管理の負担を軽減することを目指しました。改革の背景には、旧制度が「神戸スタンダード」と名付けられた教育の理念と強く結び付けられていたことがあります。旧制度はこの理念に応じて科目区分を設けたため硬直化し、合理化や時代の変化への対応が困難になっていました。一方、授業内容は旧制度導入以前とは変わらず、理念と実際が大きく乖離していました。今回の改革では、「教育の理念は、制度ではなく内容で実現すべきものである」「社会や学生の要求は常に変化し、教育制度に完成はなく必ず次の改革が必要になる」という考え方のもと、シンプルで柔軟な制度を目指しました。現在、授業科目の構成と時間割の見直しや、大学院への教養教育の導入を検討しています。教養とは、合理的に考えるべき問題を徹底的に合理的に考え、それと同時に、伝統や文化を十分に理解し尊重する力であると考えます。今後も、全学的な議論と合意形成のもと、学生にとって魅力ある教養教育の実現を目指していきます。 修得することを目指して、各学問領域の基礎や環境問題、価値創造などの考え方、国際性を身につけるための教養教育や、各専門領域の知識や技能を修得するための専門教育を実践しています。本学では、このような教育をさらに優れたものとし、時代の変化や社会の要請に柔軟に対応するため、全学的な視点から教育制度や学部・大学院の組織を見直し、意欲的で革新的な改革を推進しています。 先進的・実践的な次世代卓越人材の育成時代の変化と学生の希望に応える教養教育の実現-シンプルで柔軟な制度の構築-31未来社会を開拓する卓越人材輩出のための意欲的で革新的な制度と組織の改革
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