Ⅰ 価値創造ストーリーⅡ 価値創造のための戦略Ⅲ 神戸大学の現在地TOPICS企業連携自治体海外大学 学長運営委員会本学は、文理横断的・異分野共創的な知を備えた多様な人材を育成するために、産官学連携に加え、学内及び大学間の連携のための異分野共創教育の場を整備し、学部・研究科・大学の枠を超えて教育プログラムを構築し、知識集約型社会の要求に応えます。産業界や地域社会など広く活躍し、社会をリードしていく博士人材を育成するために、産・官と連携して共同研究講座、連携大学院講座等を積極的に活用して異分野共創型の教育を推進するとともに中長期のインターンシップ等を取り入れたカリキュラム編成を行い、キャリア形成支援を充実させます。2023年4月には、社会から博士課程に進学した優秀な学生に対して、経済的支援を強化し、研究に専念できる制度や修学環境を整えることは、次世代を担う人材の育成と研究者の多様なキャリアパスの創出に繋がる重要な取り組みです。こうした次世代研究者支援の充実は、大学にとって喫緊の課題の一つとなっています。本学では、様々な分野の博士学生をトランスファラブルな素養を身につけることができる教育・研究を通して、社会に求められる高度専門人材として育成するために、学長直下に「大学院博士支援推進室」を設置しており、教育支援、研究支援、キャリア支援、経済的支援を一体的に運用する「博士学生支援総合パッケージ」を策定し、卓越した博士人材の総合的育成支援を行っています。博士課程学生を共同研究等に参画させる「博士学生プロジェクト研究員制度」や、安定して研究に専念できるよう研究専念支援金等を支給する「異分野共創による次世代卓越博士人材育成プロジェクト」および「異分野協働・共創による次世代 AI卓越博士人材育成プロジェクト」などを実施し、教育・研究・キャリア・経済の一貫した支援と研究環境の提供に努めています。大学院博士支援推進室博士支援実行委員会のニーズが高く、学問領域の枠を超えた新領域において卓越した融合人材を産官学共同で育成するために新専攻を設置しました。さらに2026年4月に、総合知を推進し、VUCAの時代の社会要求に応えるため、医学研究科と保健学研究科を統合し新たに医学系研究科を設置します。産官学連携による共同研究等の外部資金を積極的に活用し、研究生活支援体制を充実させることで、博士課程後期課程学生の研究・修学環境を整備し、社会の要請に応えることのできる高度な専門職業人や研究者を育成します。東郷 雄太 さん (法学研究科 博士課程後期課程3年次)私は国際政治学を専門に、改革開放期の中国に対する日本の援助政策を研究しています。日中関係を軸に、西側諸国がどのように中国と向き合ってきたのかを解明することが目的です。現在のウクライナやガザの惨状から、国際紛争は避けられないものと思われがちです。しかし実際には、多くの紛争が政治指導者・外交官・民間人の努力によって未然に防がれてきたことが、外交文書を読み解くと実感できます。現在は本学SPRINGプログラムの支援を受け、英米での史料調査や異分野の学生との議論を通じて研究を深化させています。厳しさを増す国際情勢と向き合うにあたり、学術的知見を社会へ還元できる研究者を目指しています。 外交史研究で国際政治の現実と向き合うイノベーションを引き起こし、新たな価値を創造する人材の育成イノベーションを引き起こし、新たな価値を創造する人材の育成大学院博士支援推進室大学院博士支援推進室33「人材」の創出 大学院での学びを支える異分野共創型の卓越研究と全学的な学修支援
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