座談会学長×博士学生×若手研究者 神戸大学 統合報告書2025 私は、社会的孤立の問題を心理学の視点から研究柳澤しています。孤立を生むメカニズムを明らかにすることで、よりよい支援策を探っています。身体的・心理的な痛みを統合的に捉えるアプローチに魅力を感じ、研究に踏み込みました。 数理モデリングや機械学習の手法に関する研究をし小松ており、特に最近は、限られたデータから信頼できるモデルを構築する研究に取り組んでいます。本学でモデリングの講義を受けたことが、研究を始めるきっかけになりました。 惑星形成論が専門です。スーパーコンピューター神野「富岳」を使って、惑星の形成過程を数理シミュレーションで解明しようとしています。小さなコンピューターで宇宙スケールの現象を再現できることに魅了されました。 看護の現場を定量化・可視化する研究をしていま吉見す。経験に頼りがちな現場に、データと機械学習の力で分析と最適化を持ち込みたいと考えています。実際に集中治療室で看護師として働いた経験が、研究を深めたいという思いにつながりました。 私は経済学の視点から「社会ネットワーク」の研究岩永を行っています。人々の行動が周囲との関わり方によってどう動機づけられ、どのような関係が築かれるかを、データから読み解くことに関心があります。 私は他の大学院を修了しているのですが、他分野の柳澤先生と議論できる機会が多く、視野が広がりました。自分の研究テーマを見つめ直す良い機会になりましたし、自分の研究の面白い部分や課題を明確にできたと思います。一方で、実験設備が不十分で、遠方の大学に機材を借りに行かねばならなかったことが課題でした。本学はその点、設備が整っていて恵まれています。 私は本学のシステム情報学研究科を出ていますが、小松研究環境は非常に良好でした。指導教員が熱心で、学会発表や研究費申請の指導、国際的な議論の場など、研究者に必要な経験を一通りさせてもらいました。特に困ったことはありませんでしたし、幸運にも学部4年生のときから博士号取得のための奨学金を受給していました。この経済的な支援は、研究を続ける上で大きな助けとなりました。 高校生の頃から、人生の中でたった3年間の博士課神野まずは、皆さんの研究テーマと、それを始めたきっかけを教えてください。先生方にお伺いします。「博士課程における研究環境」について、良かった点、あるいはもう少しサポートがあればよかったと感じた点は何ですか?次に、博士学生の皆さんにお伺いします。博士課程進学の理由と、神戸大学で研究を続ける中での支援や課題は何ですか?博士課程と研究への挑戦博士課程の充実した研究環境と課題博士課程進学の決意と神戸大学での学び06
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