Ⅰ 価値創造ストーリーⅡ 価値創造のための戦略Ⅲ 神戸大学の現在地 123 業※など様々な経済的支援を実施。※SPRING事業とは…JSTによる次世代研究者調整的研究プログラムである。本学では、「異分野共創による次世代卓越博士人材育成プロジェクト」として、博士課程後期課程に在学する様々な分野の博士学生を数理・データサイエンスの素養を持ち、グローバルに学際領域で活躍できる卓越博士人材を育成し、トランスファラブルな素養を身につけさせる教育・研究を通して、社会に求められる高度専門人材の育成を目指し、研究専念支援金(220万円/年)および研究費(25万円/年)を支給する。博士進学には、学生が憧れる魅力的な教員の存在が不可欠。教員が真□に学生と向き合い、卓越した研究力と人間的魅力を備えていることが、進学意欲を高める原動力に。程で博士号が取れるなら損はない、と漠然と考えていました。本学の大学院を選んだのは、日本の計算天文学の第一人者である牧野淳一郎教授のもとで研究したいという思いが強かったからです。本学は定期的に「異分野共創研究発表会」があり、異なる分野の博士課程学生間でも交流ができるのが良い点ですね。 私は修士課程を進める中で、自分のしたい研究が2吉見年では終わらず、もっと研究も進めたい、技術も高めたいと考え、博士課程に進みました。経済面ではSPRING事業※に採択され、支援を受けられたことが大きかったです。私は一度社会人として臨床現場で働いていたため経済的に家族を頼ることが難しく、生活費を含めた支援が本当に助かりました。一度働いてからの博士課程進学だと年齢的にも30代に近くなり、ライフイベントとの兼ね合いも考えなければいけないのが悩みですね。 もともと哲学を学んでいましたが、数理分野に惹か岩永れて修士課程へ進学し、ゼミの先輩方や先生方の後押しで博士課程を決めました。経済的には、奨学金が得られれば十分研究に専念できると考えていました。悩みとしては、研究で情報科学のモデルを扱うことがあり、他学部の教育資源に頼りたい時があります。そこで学部の壁をこえて気軽に相談できる窓口があると嬉しいです。 文系分野では、博士課程へ進学しても社会でそれを岩永活かせるようなポストが少ないと言われています。これは社会が文系の博士人材の価値をどのように見出せるか、という日本の産業構造の課題です。また、理系分野の研究スタイルと比較して、文系分野は個人的なプロジェクトが多いため、先輩の研究を見る機会が多くはありません。そうすると研究内容の情報を得る機会も少なく、進路の選択肢としてあがってきません。そして文系分野と一口に言っても、例えば経済学や人文学など、各分野で直面している課題は様々なので、それぞれの分野に即して考えていく必要があると思います。 基礎研究や数理的なアプローチを大切にしつつ、技小松術進歩のスピードが速い人口知能分野についてもしっかりキャッチアップしていきたいと思います。また、応用研究についても出来るだけ目を向けたいと考え、生物学や神経学博士人材増への具体的な強化ポイント博士課程進学への課題今後のキャリアへの展望POINT経済的支援研究に集中するためには研究費だけでなく、生活費を含めた支援が不可欠。本学では、博士課程学生にSPRING事POINT魅力的な研究者POINT多様なフィールドで活躍できる社会の実現博士人材は、社会全体の成長・発展をけん引することができる重要な存在である。産業界等と連携し、博士人材の幅広いキャリアパス開拓を推進し、社会の様々な分野での活躍に向けた取り組みを実施。07
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