神戸大学 環境報告書 2025
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学長メッセージ/センター長メッセージ/環境憲章持続可能な社会の実現に向けた戦略大学概要/環境保全のための組織体制神戸大学の環境パフォーマンス環境保全推進センターの活動第三者意見環境に関する教育研究とトピックス環境に関する教育研究とトピックス地下鉄駅 の省エ ネルギー 計画に関 す る 研究工学研究科 准教授 竹林 英樹「三宮駅における夏期平日代表日の時刻別熱負荷」「駅ごとの日積算熱負荷の比較」 神戸市交通局と連携して地下鉄駅の冷房負荷を分析して省エネルギー計画を検討しました。屋外でスポット冷房として利用されている局所冷房設備を導入して利用者の暑さを緩和し、列車の運行に伴って発生する風により低温なトンネル内の空気を流入させて熱だまりを解消することで、省エネルギー化を実現する可能性を評価しました。地下鉄駅における主な熱負荷(冷房が必要となる要因)である照明・コンセント負荷、人体発熱負荷、列車放熱負荷、列車風負荷を各駅で調査しました。その結果、列車放熱負荷と列車風負荷が主な要因であり、車両の仕様(重量・体積)が各駅の負荷特性を決定づける重要な要素であると考察されました。また、各駅の冷房設備が供給した熱量を分析し、熱負荷と熱供給量の差とホーム温度に相関が確認され、適切な熱供給量の制御が温熱環境の安定化に重要であると考察されました。 今後の設備更新計画においては、各駅の熱負荷の実態に応じて適切な容量の冷房設備を導入するとともに、トンネル内の温度と列車風の影響を考慮した外気取入れ方式の検討も有効であると考察されました。また、季節による負荷特性の変動については、今後の検討課題として挙げられました。

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