学長メッセージ/センター長メッセージ/環境憲章持続可能な社会の実現に向けた戦略大学概要/環境保全のための組織体制神戸大学の環境パフォーマンス環境保全推進センターの活動第三者意見環境に関する教育研究とトピックス環境に関する教育研究とトピックス大 学 に お け る 化 学 物 質 管 理 工学研究科 教授 水畑 穣応用化学専攻で取りまとめている『化学物質管理に関する連絡事項』http://www.cx.kobe-u.ac.jp/incx/chemmanage.html (学内限定) 神戸大学では、化学実験を行う多くの研究室において、有害物質や危険物を含むさまざまな化学物質が使用されています。これらの物質の管理については、昨年の環境報告書2024でも「有害物質の管理および対応」として詳しく記載されています。 さらに、2022年に改正された労働安全衛生法(安衛法)により、化学物質管理に関する新たな規制体系が段階的に導入され、2024年からは大学においても「化学物質管理者」の選任が義務付けられました。この法改正の大きな特徴は、「法で定められた特定の物質だけを管理すればよい」という従来の「個別規制型」から、すべての使用化学物質について、その危険性や有害性を使用者自身が評価・判断する「リスクアセスメント」に基づく「自律的な管理」へと移行した点です。これに伴い、管理対象となる化学物質は大幅に増加し、当初の674物質から約2,900物質がリスクアセスメントの対象とされました。これらの物質の危険性や有害性は、「化学品の分類および表示に関する世界調和システム(GHS)」に基づいて示されています。 研究活動に携わる教職員や学生が、これらすべての情報を把握するのは容易ではありません。そのため、薬品を購入する段階でGHS分類を確認し、どのような危険性や有害性があるのかを理解したうえで使用することが求められます。また、学生への適切な説明・指導も重要です。 このような管理の基本は、「自分の安全は自分で守り、組織としてはその状況を適切に把握し、指導・記録する」ことにあります。例えば、化学物質を扱う人が受ける「特別健康診断」についても、従来は特定の規制物質を扱う場合に限られていましたが、今後はリスクアセスメントに基づき、使用状況に応じてその必要性が判断されるようになりました。使用頻度や量が少なければ受診対象外になる場合もありますが、個人の判断で健康診断を受けることも可能です。 特に化学物質を多く取り扱う応用化学専攻では、本学の安全衛生・環境管理統括室の協力の下、教職員のFD(Faculty Development)活 動、保 護 具 の 着 用 徹底、学部生を対象とした「化学実験安全指導」の授業など、さまざまな化学物質管理に関わる安全対策を実施しています。 今後も、法改正の趣旨である「自律的な管理」の重要性を十分に理解し、より安全で安心な実験・研究環境の実現に向けて取り組んでまいります。その他
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