神戸大学広報誌『風』 Vol.23
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7  メガバンクを経て、海外青年協力隊に参加し、ルワンダに滞在。帰国後、国際協力機構(JICA)在籍時に神戸大学MBAを取得し、現職。日本とアフリカを行き来する日々を続ける。23年3月神戸大学大学院海事科学研究科博士課程前期課程修了、同年4月博士課程後期課程進学。24年2月、ガジャ・マダ大学地理学科入学。神戸大学博士学生フェロー。24年4月から日本学術振興会特別研究員(DC2)。卒業後は就職の道を選び、新世界に挑む。小郷 智子 [ OGO Tomoko ]株式会社AAIC Japan AAICグループ統括(IR/PR)OSTI Pte. Ltd. シニアプロジェクトマネージャー野村 美帆 [ NOMURA Miho ]海事科学研究科 博士課程後期課程3年のに加えて、留学生を中心に軽快なネットワークを整備していきたいと考えています。野村さんは博士学生フェローを取られていますね。野村 修士課程の間に就職活動をしましたが、今の日本の採用はいかに自分の長所をアピールするかで、修士の研究内容ではあまり評価されません。そこで博士進学を決めました。神戸大にはさまざまな支援制度があり、神戸大フェロー、日本学術振興会のDC2(特別研究員)に選ばれたことで博士課程は授業料免除になり、ありがたかったです。玉置 博士課程に進むというのは、問題を自ら見い出して解決するということ。そうした取り組みの中で結果を出してきた博士人材が、社会に出てもっと活躍すべきだと思います。大学に残るかどうかは別として、真に優秀な人材を育てるのが大学の役割。民間に行って自分の学んだことやポテンシャルを最大限発揮して社会を良くしようと思うのも健全なことです。これからは人が動く時代です。民間企業で働き、再び国の研究教育機関で別のことに取り組んでみるといった流動性がもっとあっていいと思います。野村 私は民間企業に就職する予定です。女性研究者を増やそうという流れで公募なども多く、研究者として進むハードルは下がってきたと思います。それでも今と同じスピード感で研究を続けられるか不安で就職する道を選びました。将来、アカデミアに戻りたいと思うかもしれませんが、それはその時に考えたいと思っています。玉置 就職については生涯賃金など学生の考え方によりますし、就職難の時代の大変さを見ている学生が、採用が多いなら今のうちにと考えるのも当然です。ただ、潜在的な能力を最大限に高めたい、高めることで嬉しいことがあると感じるようにモチベーションを与えられるものが大学になければ、世間に振り回されてしまう。大学での研究を通した学びにそれだけの価値があることを示さなければなりません。 一方で、産業界も以前のように学部や修士で採用して社内で育てるというようなローカルな考えでなく、大学でジェネラルに取り組んできた人にどう価値を見出せるか、まさにグローバルで考える必要があります。大学側も外部の価値観を入れ、その関係のもとで教育プログラムを作り、真に役に立つ、ポテンシャルの高い学生を真摯に育てていくことが求められます。今まさに社会と大学の関係を見直す時期に来ていると思います。世界へ踏み出す勇気はどうすれば持てますか。野村 海外に興味があるなら、どこにでもチャンスはあります。知らない土地にいきなり行くのはしんどいですが、知っている人がいれば違います。人同士のつながりを広めることが海外に行くハードルを下げてくれます。学内に留学生は増えていますが、言葉の壁などから日本人が避けてしまい、留学生が孤立することがあると聞きます。身近な交流はお互いのために大切で、それによって自分の道も開けていきます。玉置 自分がグローバルになるというのは本来楽しいこと。道で人が集まって楽しそうに話していれば寄っていくけれど、けんかしていたら近寄りませんよね。これと同じで、留学した人がオープンに話す場があり、そこから先に行きたいと思う学生には十分にサポートする体制が必要です。これは博士課程への進学にも当てはまります。先輩が楽しく研究していれば、行ってみようかとなります。きっかけは支援や制度のみではありません。その人が進みたくなる気持ちです。その時に寄り添うものがあれば、自然に動き出す。色々な経験を持つ神戸大関係者がONE KOBE FAMILYのもとで共有できる場を作り、グローバルな取り組みを進めていきたいと思っています。身近な交流が道を開く博士人材が社会で活躍をMBA取得によって考え方の引き出しが一つ増えました海外に興味があるなら、どこにでもチャンスはあります

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