知識システム・言語学専修卒業生からのメッセージ田中 真一教授言語音声(音声学、音韻論)を中心に研究しています。日本語(東京方言、大阪方言、名古屋方言)や外国語(イタリア語等)の音声現象の法則性を探るとともに、言語間・言語理論との関係、日本語音声教育への応用等に関心を持っています。澤田 治教授言語学(意味論・語用論)。ことばの意味・使用の背後にあるメカニズムについて研究しています。近年は、程度表現、感情表出表現、モダリティ等、コンテクストや話者の主観と深く関わった表現の意味解釈のメカニズムについて考察しています。教員の紹介岸本 秀樹教授言語学・英語学。特に,統語論と語彙意味論。主に生成文法の枠組みを用いながら文法の研究をしています。象は鼻が長い?15 言語学専修の特色は、まず教育・研究体制のバランスにあります。言語学専修では授業を系統的に受講するようになっています。言語学の全体像を知ってもらうため、1年次には入門、次いで2年次での専修配置後には、音声学、音韻論、形態論、統語論、意味論、語用論の各論に関する講義・演習を受講していきます。歴史言語学、心理言語学、社会言語学、自然言語処理演習、言語類型論、語用論などの諸分野に関する授業も集中講義などの形で受講できます。留学生も多くて、いろいろな言語のバックグラウンドを持つ学生たちと共に勉強できるのも、言語学専修の魅力の一つです。 言語学は1996年4月に文学科(旧)の一つの専攻課程として設立されました。2000年3月に第1期の卒業生を送り出しました。教職に就く道、大学院への進学、マスコミやコンピュータ・IT関連の企業への就職と、言語を駆使する広領域での活躍の可能性があります。 歴史や文学などとは異なり、言語学は中学や高校で学ぶ科目の中には入っていませんが、ことばは私たちの身近なところに存在していますし、「ことば=人間」と言ってよいほど、ことばは、私たち人間の特徴を物語るものです。私たちは子供の時からことばを使って生活していますが、私たちがことばについて知っていることはごくわずかにすぎません。言語学は、ことばに対する素朴な疑問を出発点とし、ことばの法則性を見つけ出し、ことばの不思議さと面白さを探究していく学問分野です。最近の卒業論文から「英語の動詞の多様性と構文の研究」「ケド節による言いさし文の語用論的考察」「Primary content/secondary content再考」「日本語談話表現におけるアイロニーとネガティブ度との関連性」「複合語短縮の音韻・形態構造」「格助詞カラの早期実現用法」「大阪方言の存在表現「イテル」について」「マンガにおける音描写の日英比較」「擬音語における長音の表記について」「ロシア語から日本語への借用語における音韻変換について」「日英語における類義語の対照実験調査̶「机」類を表す名詞を通して̶」卒業後は教員からのメッセージ(岸本秀樹) 言語学は言語を科学的に研究する学問です。例えば、皆さんは友達とお互いの方言を紹介し合ったり、似た意味を持つ2つの言葉のうちどちらがより伝えたいニュアンスに近いかを考えたりしませんか?実はこれらは言語学の一部で、こういった何気ないことをきっかけに「言語」について突き詰め、その仕組みを解き明かすことを目標にします。自分の興味や疑問について考え追究するのは大変ですが、やりがいがあります。ぜひ言語学の扉を叩いてみて下さい。 (桐原爽佳 2019年3月卒業 (株)ジャステック勤務)「ことばのない世界を想像できますか? −言語学」 普通の人間であれば誰でも4歳ぐらいまでには少なくとも一つの言葉をほぼ完全に母語として習得します。しかし、大きくなってからの外国語の習得は困難です。また、自転車に乗ったり、道具を駆使できるチンパンジーなどでも、人間言語を習得できません。これは一体どうしてなのか、という素朴な疑問が現在の言語学の中心的課題です。この■を解くためには、世界の言語に共通する特性、また個々の言語を特徴づける相違点などを研究したり、さらには言葉の社会的変容(方言)や歴史的変遷などあらゆる角度からの文法研究や、幼児の言語習得の実体やその背景となる人類の認知システムの研究などを進めなければなりません。 その一方で、言語の研究は人工言語(コンピュータ言語)や音声認識・自動翻訳機の開発をはじめとする自然科学・工学領域、ならびに言語障害の治療をはじめとする音声言語医学の分野とも深く結びついていて、また、広告・マスコミの分野においても言語の本質の理解は不可欠なものとなっています。 知識システム講座に所属する言語学専修は、日本語研究から英語学など個別の言語研究とともに、音韻論、文法論、意味論、を含む幅広い研究分野をカバーする教育・研究体制をとっていて、カリキュラムの充実を誇っています。授業では言語学専修
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