神戸大学 文学部 2025
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文学・国文学専修6授業では最近の卒業論文から「女武者・巴考」「異性装が描き出したもの」「『頼豪阿闍梨怪鼠伝』における怪異―頼豪の怨霊と行氏の幽魂に注目して―」「室生犀星『弄獅子』論:原点の探求としての〈自伝もの〉」「『さかな』の語史」卒業後は教員からのメッセージ卒業生からのメッセージ■口 大祐教授日本古典文学(中世を中心とする)。物語や説話、歴史文学におけるジェンダーの在り方や視点の多様性について研究しています。有澤 知世講師日本近世文学。山東京伝の諸活動を中心に、近世後期の考証と戯作作品を主な研究対象としています。梶尾 文武准教授日本近代文学。昭和期における文学と思想の複合的展開を研究の対象としています。石山 裕慈准教授日本語史。日本語の音の歴史を研究しており、その中でも特に日本漢字音史(つまり漢字の「音読み」の歴史)に関心を抱いています。池田 來未講師日本語文法。複合動詞という複数の動詞が結びついた形式の用法変化や使い分けについて主に研究しています。教員の紹介田中 智子講師日本中古文学。古今和歌六帖や初期定数歌を中心に、その和歌史上の位置づけについて研究しています。 国文学専修には国文学4名、国語学2名、計6名の教員がおり、各教員とも特殊講義と演習の2種類の授業を担当しています。特殊講義では、各分野での最先端のトピックや各教員の研究内容などについて、時に学生との議論も交えながら講じます。演習は、ある作品や研究論文について学生が研究報告をし、その後、教員の助言のもと、学生同士で討論するという形が一般的です。それを通じて、互いに調査や論理構築などの研究能力を研鑽します。 例えば、2023年度前期の演習課題は、「古典文学とジェンダー」「江戸読本を読む(曲亭馬琴『頼豪阿闍梨怪鼠伝』)」「太宰治を読む」「『頻出古文単語』の国語学的分析」です。 卒業後は、試験を経て大学院人文学研究科博士課程前期課程に進み、より高度な研究を続ける学生と、就職する学生とに分かれます。就職先の業種は、中高の国語科教員、各種公務員、マスコミ(出版社・新聞社等)、金融機関、シンクタンク、運輸、その他さまざまです。大学院に進学した学生は、博士課程前期課程修了後、中高国語科教員、公務員、企業等に就職するほか、一部はさらに博士課程後期課程に進み、研究者、大学教員等になります。 どんな学問でもそうですが、国語学や国文学の研究には、周囲の動向に動かされず、自分で考え、かつ感じるということが何よりも必要です。よい研究の多くは (一見無関係に見えるとしても)研究者個人の現実生活の中で芽生えた、実存的な要求に基づいているものです。その意味で、「今」をよく考え、よく生きたいと思っている全ての人々を、当専修は歓迎します。(■口大祐) 当専修では、古代から近現代までの文学作品や、日本語の歴史や文法を学ぶことができます。自らが関心を持ったことについて問いを立てて研究し、先生方や先輩、学生同士での議論を通じて読みを深めていきます。 私は作品の言葉一つ一つをじっくりと味わい、さまざまな資料と照らし合わせて考えた経験が、現在も生きていると感じます。膨大な情報であふれる時代だからこそ、立ち止まって吟味する視点の重要度はますます高まっています。国文学や国語を学ぶことで現代に通じる歴史や思想の原点を覗き、思う存分考えを深めてみてください。 (赤羽佳奈子 2018年3月卒業 信濃毎日新聞記者)千三百年に亙る日本語の沃土千里を拓き、日本文学の豊饒の海万里を航く。 国文学専修は、国文学、国語学の両分野からなり、古代から近現代にいたる各時代の日本語・日本文学についての研究を行うところです。人は言葉によって思考し、あらゆる思想や、人生観や、喜怒哀楽などを文学に投影してきました。日本語・日本文学の歴史と現在を学ぶことは、日本人の精神がこれまで■ってきた道と現在のあり方、そしてこれから進むべき行く先を追究することに他なりません。そのことを通して、自分の立つ位置について確かな目を持つことは、私たちに、揺るがぬ自信と判断力を与えてくれます。 また、日本語・日本文学の研究は今や日本だけのものではありません。国文学専修は、世界各地から多くの留学生を受け入れています。国文学専修で学ぶことは、それぞれ異なる文化的背景を持ちながら、日本人の思想や文学に強い関心を持つ留学生と交流する日々でもあります。彼らは、私たち日本人が実はいかに日本を知らないか、ということに気づかせてくれるとともに、異なる立場から日本文化を見つめる視点も教えてくれます。国文学専修は、世界に開かれた目を持ち、世界に向けて日本文化を発信できる国際人を育てる場でもあるのです。Message国文学専修

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