文学・中国文学専修7授業では最近の卒業論文から「蘇軾の詩文について」「中国20世紀以降の文学のジェンダー観」「西王母の形象について」卒業後は教員からのメッセージ卒業生からのメッセージ劉 萍特任准教授専門は、中国古典文献学と近代日本の中国学です。日中比較文化の視座において、中国古代の書籍の伝播と、日本の中国学者による中国古典学の研究を材料とし、学術史を整理しています。早川 太基講師中国古典文学。人は詩歌によって何を表現するのかを探索しつつ、唐宋明清文学・音楽を研究中。作詩や七弦琴・尺八などは、研究と趣味をかねて嗜みます。教員の紹介濱田 麻矢教授近現代中国文学。女性文学全般に興味を持っていますが、特に1940年代、日中戦争から国共内戦期にかけての小説の諸相に関心を持っています。 授業は大きく講義と演習の2種類に分けられます。2022年度前期、講義では「中国近代文学のシスターフッド」「古典音楽でめぐる漢文学の旅」「日本中国学概論」が開講されました。教員が自らの知見を講じる講義に対して、演習とは文献を読むための技術訓練の場であり、学生が主役となって活発な議論をすすめることが求められます。2022年度前期は「張天翼」「李群玉詩集」「現代中国語作文」を選読しました。このほか、学生による論文構想発表があり、執筆中の論文について教員や同級生と活発な討論を展開しています。 商社や新聞社などの民間企業に就職して語学力を発揮している人もあれば、コンピュータ関連会社でソフト開発に取り組む人もいます。国語の免許を取得して高校の教師になる卒業生もいましたが、教職の間口が狭くなった今では、公務員試験に挑戦する人が増えています。また、博士課程前期課程に進んでさらに研究を続ける人もたくさんいます。修士号取得後は教育職に挑戦する人、博士課程後期課程に進んで留学を目指す人など、さまざまです。 古い中国と、新しい中国をどちらも学ぶことができる研究室です。李白や杜甫、そして魯迅や張愛玲の作品を、もっともっと深く味わってみませんか?いずれにせよ、朝から晩まで漢字の海のなかに溺れながら格闘することになるので、覚悟していてください。中国語を極めるのもいいですし、漢文・漢詩の創作もお手伝いしますし、中国の古典楽器「琴」などもお教えできますので、特殊技能が身につきますよ。(早川太基) 中国文学と聞くと、やはり「中国四千年の歴史」というだけ歴史も深く、漠然と難しそう・・と思われる方が多いかもしれません。私もそう思っていた一人です。しかしながら、講義や演習を通して、古典文学から現代文学まで様々な作品に触れ、学び、議論を交わすことは、中国という国、はたまたその周縁に存在する日本という国を知るきっかけになるはずです。私自身、中国文学に触れた経験は、たくさんの新しい気づきを与えてくれました。 試験でよい点を取るために勉強したあの漢文も、皆さんのまだ知らない何かがあるかもしれません。ぜひ中国文学の世界に触れてみてください。(馬場萌波 2022年3月卒業 神戸市外郭団体職員)悠久の歴史、広大な国土を誇る中国。中国の豊かな文学に出会ってみませんか。 文字通り、中国の文学を対象とした学問です。3000年余りに及ぶ歴史とヨーロッパ全体に匹敵する国土、そして12億の人口を擁する中国。この壮大なスケールを誇る中国の文化に取り組むためには、まずは中国語を読む訓練が必要です。いわゆる読み下しには頼らず、漢字一つ一つの音(ピンイン)を調べて、中国語で発音してみるところから演習の準備は始まります。さまざまな辞書や参考書にあたりながら意味を解釈していく作業は地味ではありますが、漢字の羅列でしかなかったものから立体的な文学イメージを構築できたときの達成感は十分その苦労に報いるものです。神戸大学の中国文学専修では、中国の大学から招いた特任教員による講義が開かれており、学生は現地で第一線に立つ研究者から直接授業を受けることができます。また、古典文学と現代文学の講義をバランスよく配して、学生が自分の興味に従って選んだ研究をサポートする体制をとっています。更に自分の研究テーマだけに閉じこもることなく、さまざまな時代、さまざまなジャンルの生きた中国文化に出会うために、「文学」に限らず、「中国語学」、「中国思想」に関する授業も提供されています。中国文学専修
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