研究科への招待国際交流CoursesnvitationQ&AI島 早里奈さん(2020年度博士前期課程修了)神戸女学院大学文学部卒業。研究テーマは「江戸時代の文献からみる魚食の分析~『江戸流行料理通』・『誹風柳多留』より」。現在、社会保険診療報酬支払基金職員。北村 沙緒里さん(2012年度博士前期課程修了)広島市立大学国際学部卒業、神戸大学国際文化学研究科博士前期課程修了。研究テーマは「小泉八雲を中心とした明治期の来日外国人の比較文学研究」。現在、長崎市職員(学芸員)。 私が大学院への進学を志望したきっかけは、学部時代の研究テーマをもっとしっかりと勉強したいという単純な理由からでした。私は本コースで、明治期の来日外国人の著作に見られる「日本」像についての比較研究がテーマでした。修了研究レポートでは、小泉八雲の文学作品を扱い、テクストと挿絵の表象について論じました。私の場合、入試当初の研究計画の内容は博士前期課程の二年間で大きく変わりました。しかし、それも限られた研究期間の中で、恵まれた指導体制と充実した資料環境(図書館など)によって得られた結果だと思います。本コースの特徴は、大きく科学技術文明と言語文化の二つの研究分野に分かれます。異なる分野の境界を越えて、学生生活の中で仲間と研究について語り合えるのは自身の研究への刺激になります。また、コースにとらわれない横断可能な履修システムによって、芸術、思想、文学など、あらゆる視点から自身の研究を深めていくことが可能です。入学時の研究計画を進めていくことも本分ですが、授業を通して得られる研究の新たな視点、見直し、深化は、自分次第でいくらでも研究に反映できると思います。充実した研究生活を支える環境が整っています。田井中 雅人さん(2021年度博士後期課程修了)早稲田大学政治経済学部卒業研究テーマ:「放射線被曝防護の国際的基準策定プロセスの科学史的研究」Graduate School of Intercultural Studies|13 修了学生からのメッセージ理系じゃなくても大丈夫?複雑多様な社会を理解する上で、科学的な物事の見方を身につけることはとても有意義だと思うのですが、大学時代は文系でした。本コースで科学史や科学技術社会論の研究をする際に理系の学問的基礎が必要なのでしょうか?文系の方でも大丈夫です。そもそも、文系とか理系とか言っている場合じゃありません。たとえば先端テクノロジーやネット社会、テクノ・ディプロマシーとかGAFA、バイオ技術・生殖テクノロジーと世界の貧困、気候変動とクライメート・ジャスティス、無人の軍事ドローンやロボット兵士の問題、それらは誰もが関与することになる、というか、すでにかなりの影響を受けている問題ですし、われわれのサバイバルがかかっているのですから。比較文明・比較文化論コースに入学後は、グローバル的な視野から食文化についての理解を深める機会を頂戴しました。岐阜県での科学史学会では、朴葉味噌など地域の料理を、写真に掲載している、ビビンバ発祥の地、全州(韓国)で開催されたICHSEAでは、韓国料理を体験することができました。大学院の大納会では、国際色豊かなゼミ生達と体験した韓国をはじめ諸外国の食文化について情報交換しました。また、自身の分野はもちろん他分野、他専攻の授業も受講できる恵まれた環境を活かすことによって知識の幅が広がり、さらに、語学教育にも関心があった私は、日本語教師養成コースも受講しました。国際色豊かな研究室では、母国をはじめとする各々の国の代表的な料理を一緒に食すことを通じて、諸外国の実情や文化に触れることができ、充実した学生生活を送ることができました。分からないことがあったらお互いに助け合い、時には切磋琢磨しあえる仲間ができた研究室は、私にとって憩いの場であり、鍛錬の場でもありました。諸事情で帰国してしまった留学生とも連絡を取り合っており、コロナ禍で実現できなかった各国の留学生との旅行をいつかは実現させたいと思います。修了後も食文化の研究を継続したいと考えていますので、諸外国にも目を向け、研究室の仲間たちとも繋がり続けたいと思います。是非、皆さんにもこの研究科で、多面的な視野を広げ、多国籍な仲間たちとともに研究を深めて欲しいと考えています。大学在学中に様々な文献を通して、和食文化に興味を持ち始めていた私は、卒業後も研究を深めたいと思い、神戸大学国際文化学研究科のオープンキャンパスに参加しました。そこで「塚原研究室(通称:つかけん)」に所属する方々、先生の研究姿勢に魅了されました。実体験や調査の大切さを痛感し、辻ウェルネスクッキングでは日本料理を、京都・萬亀楼では庖丁式を経験し、江戸時代から続く鎌倉の料理茶屋「八百善」では、江戸料理の体験と八代目店主へのヒアリングを実施しました。移住移民、観光、科学技術の3つの観点からアプローチするコースとのことですが、わたしはとくに観光に関心があります。すべての観点に関心がないとこのコースには合わないのでしょうか?コース合同での演習では、それぞれの専門を基盤にして、複合的な観点から議論をしたり、問題意識を深めたりする機会がありますが、本コースに所属している教員は特定のアプローチに精通しており、まずは移住移民や観光、テクノグローバリゼーションの問題のどれかに関連のあるテーマを掘り下げることで問題ありません。その基盤を作ってから、どのように応用が可能かを考えますので、それぞれの分野の問題を、他の分野の人たちとも議論できることが重要です。新聞記者として原爆や原発といった核問題を取材してきた私は、故・中川保雄・神戸大教授(1943-91)の著書『放射線被曝の歴史』に大いに触発されました。縁あって、中川教授の系譜を継ぐ国際文化学研究科(比較文明・比較文化論コース)の塚原東吾教授の指導を受けながら、博士論文の執筆をしました。研究では、中川教授の遺族から神戸大学に寄託された段ボール15箱分の資料を読み込みながら、放射線被曝防護の国際的基準がどのように策定され、2011年の福島第一原発事故後にもそれが適用されているのかを検証しました。2020年12月に神戸大学主催で開催された科学技術社会論(STS)学会の「中川保雄記念シンポジウム」で報告させていただきました。専門分野を深掘りすることで、アカデミズムとジャーナリズムの双方に貢献できればと考えています。勉強熱心な塚原研究室の学生さんたちとの交流は刺激的です。あいにくのコロナ禍でフィールドワークや対面の機会はめっきり減りましたが、SNSなどでマスコミ志望の学生さんたちの就職相談や作文指導を行い、研究室から新聞社内定者が2人出たのもうれしいことです。白井 智子さん(2014年度博士後期課程修了)クレルモン=フェラン第2大学人文社会学研究科修士課程修了。研究テーマは「生野銀山お雇い外国人ジャン・フランソワ・コワニェと日仏交流」。現在、姫路日仏協会会長。 私は、本大学院入学以前、フランス語教育と日本語教育に携わる傍ら、兵庫とフランスとの交流史を色々な時代・人物に焦点を当てて調査・研究をしていました。しかし、これらの研究は題材が多様で一貫性を欠いていていたため、ご専門の先生方からご指導いただきながら、これまでの調査結果を練り直し、さらに研究を深めて博士論文として一つに纏め上げたいと考え、大学院入学を決めました。 本コースを選んだ理由は、私が探し求めていた文化交流や比較文化、科学技術史が専門の先生がいらっしゃったことに加え、様々な国や時代における文明や文化、歴史に精通された先生方が結集して、多方面から研究指導に当たっておられたからでした。また、国際文化学研究科は、所属コースに関係なく、他コースの授業も履修可能なため、より一層学際的研究ができ、その上、本大学は複数のフランスの大学と協定を結んでおり、院生でも留学できる機会を得られることも私にとって大きな魅力でした。 在籍中、指導教授を始め、日仏両国で諸先生方からきめ細かなご指導を頂戴し、様々な観点から多角的に研究を進め、大きな成果を挙げることができました。恵まれた環境の中で充実した研究生活を送ることができ、私にとって掛替えのない素晴らしい3年間でした。Comparative Studies of Civilization and Culture
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