神戸大学大学院 国際文化学研究科 2024-2025
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研究科への招待国際交流CoursesnvitationQ&AI佐川 寛知さん(博士後期課程3年)熊本県立大学文学部卒業研究テーマ:E.サイデンステッカーの翻訳論―自由間接話法に着目して―朱 藹琳さん(2020年度博士後期課程修了)広東工業大学日本語学科卒業、神戸大学大学院国際文化学研究科博士前期課程・博士後期課程修了研究テーマ:コミュニケーション摩擦場面から見た通訳者の倫理-中国の日系企業における社内通訳者を中心に-現在、愛知大学現代中国学部嘱託助教Graduate School of Intercultural Studies|23 Linguistics and Communication Studies所属学生からのメッセージ上田 明歩さん(博士前期課程2年)神戸大学国際人間科学部卒業研究テーマ:中国語を母語とする日本語学習者がカタカナ表記の外来語習得を困難とする要因の検討修了学生からのメッセージ韋 恩琦さん(2023年度博士後期課程修了)研究テーマ:JSL学習者による場所を表す格助詞「に」、「で」、「を」の学習における訂正フィードバックの効果に関する研究現在、追手門学院大学共通教育機構専任講師言語コミュニケーションコースの授業の特徴としてどのようなことが挙げられますか?本コースの教員は、留学生に対する日本語教育や日本人に対する外国語教育について豊富な経験をもっています。したがって、教育経験に基づく疑問点・問題点が絶えず授業の中心にあり、問題解決を念頭においた授業を行なっています。本コースではどのようにして修士論文や博士論文のテーマが決められているのでしょうか?本コースでは、入学してきた学生の問題意識や関心・興味を第一に考えています。したがって院生は、指導教員と相談しながら自らテーマを決めることになります。学部の卒業論文では日本語を母語とする中国語学習者における動機づけの変化要因を扱いました。大学院では中国語を母語とする日本語学習者におけるカタカナ表記の外来語習得について研究しています。卒業論文の執筆の際に見えた反省点や改善点が山のようにあるので、修士課程ではより良い修了研究レポートを執筆することを最終的な目標として、努力を重ねていきたいと思っています。さて、私は学部の頃から同じキャンパスに通っているのですが、実際に大学院に入学してから肌で感じたこととして、大学院ではどの先生方、先輩方、同級生たちとも密なコミュニケーションをとれることが挙げられます。講義もゼミも少人数で行われることがほとんどなので、より近い距離で先生に指導を仰いだり、友達と相談、協力しあったりすることができます。また、多様なバックグラウンドをもつ学生がいることも本コースの特徴で、これが言語コミュニケーションの研究をする上で大きな刺激となっています。これから先、皆さんとも一緒に研究できる日が来ることを心待ちにしています。より効果的に第二言語を習得できるのかについて研究しました。言語コミュニケーションコースでは、第二言語習得(SLA)、翻訳理論、対照言語学、認知言語学など多種多様な言語学に関する専門知識を、一流の先生方の下で学べる環境が整っています。また、学術的な知識だけでなく、自立的な思考力、さらに社会人としての心構えと「人間力」についても学習できます。言語学を探究したい人にとって、最高の場所であると私は思います。私は在学中、専門分野の学習だけでなく、在日外国人児童への支援活動及び、トロント大学と神戸大学が企画した英語プログラムへの参加、さらには指導教員からもティーチングアシスタント(TA)やリサーチアシスタント(RA)といった貴重な機会をいただきました。これらのお仕事に従事することを通じて、自身の弱みや不足点を少しずつ改善しつつ、人間の基礎力、批判的な思考力と総合的な学習力も身につけられたように思います。最後に、改めて研究科の先生方には感謝の気持ちを表したいと思います。国際文化学研究科はまるで自分のもう一つの「Family」のような存在です。皆さんもぜひ私たちの「Family」の一員になってください!私は学部生の4年間を神戸大学で過ごしました。中国人民大学への1年間の交換留学に参加するなど、学部生時代は中国語学習に特に力を入れて取り組んでおり、その中で「学部で身につけた中国語を使って学問に取り組んでみたい」という思いが芽生えたため大学院進学を決めました。また、学部生の頃から国際文化学研究科の先輩方と関わる機会が多かったのですが、いつも優しく真面目な先輩方が輝いて見え、憧れの先輩方のようになりたいと感じたことも、大学院に進学したいと思った理由の1つです。私は中国の大学で日本語を専門として2年間勉強をしました。その後、大学三年生の時に日本の大学に留学したことをきっかけに来日しました。日本に来てからは、教科書で習った日本語と日本語母語話者が実際に使用している日本語との差に気づき、博士前期課程では三者会話場面における中国人日本語学習者と日本語母語話者の会話の仕組みについて研究しました。しかしその後、日本に長年滞在している人や、日本語能力試験N1級に合格した上級レベルの学習者でも、日本語の格助詞などの習得困難項目を母語話者と同様には使いこなせないという問題を新たに認識しました。そこで、博士後期課程ではどのようなフィードバックを学習者に与えれば、指導教員にしか論文指導をしてもらえないのでしょうか?例えば前期課程では1年次後期から2年次後期にかけて、計3回程度コースの教員・院生の前で修士論文・修了研究レポートの中間発表をする機会を設けています。つまり、修士論文・修了研究レポートの作成をコース全体でサポートする体制をとっています。また、博士論文に対しても指導演習や報告などを通して、指導教員をはじめ、コース内・研究科内の先生方からきめ細かなご指導をいただきました。留学生活や進路などプライベートの悩みに関する相談も親切に乗っていただき、大変お世話になりました。博士前期課程において日本語教師養成サブコースを履修したことで、教育学、第二言語習得論などの内容や、他コースの方々と意見をシェアしたり、模擬授業をしたりする経験は、現在の仕事にも大いに役立ちます。さらに、授業のみならず、院生研究室でも交流の機会がたくさんあり、各自の言語や文化などについて話し、「カルチャーショック」を受けることも大きな楽しみです。このように、国際文化学研究科・言語コミュニケーションコースで過ごした楽しくて充実な5年間は私にとって大切な思い出です。皆さんもぜひここで、多様な文化や多様な観点とぶつかりながら、好きなことを研究して頑張ってください。「いや、アンタ、なんでその人の目線でしゃべってんのよ(笑)」「それ、一体だれ目線だよ(笑)」――とツッコミたくなる瞬間が、ときにコミュニケーションの中で起こったりしませんか? このような瞬間は日常的なコミュニケーションの場だけではなく、小説の「語り」の中でも現れることがあります。「誰目線でこれは語られているの? 登場人物? それとも語り手?」という瞬間がまさにそうです。これは自由間接話法という小説における表現技法の一つです。私は、学部時代に好きな翻訳家であるサイデンステッカーの翻訳でこの技法を見かけました。しかし日本語原文を読んでも「自由間接話法らしさ」を感じることができませんでした。これが私の研究の出発地点です。日本文学の翻訳家サイデンステッカーの文体を通して、日本語のどんな要素が、何が自由間接話法になるのか、どうして自由間接話法として翻訳されたのか。これらを追求することが私の研究です。言語コミュニケーションコースでは、このような研究を支えるための見識を広げられます。言葉による表現技法を別の“目線”で見れば、レトリック(修辞技法)とも言えます。さらに別の“目線”で見れば、私の研究は、ある翻訳家の翻訳手法についての分析とも言えます。また、他の“目線”では、物語における視点についての研究、物語論からの分析とも言えます。どれも日本の大学院ではあまり扱われていない分野です。しかし、このコースは、レトリック、翻訳研究、物語論の全てを扱っている数少ない大学院です。私の研究のような、言語コミュニケーションにまつわる学際的な研究ができるのは、ここだけでしょう。言葉の巧みな使い方とはいかなるものか、翻訳とは何か、物語の構造はどうなっているのか。このコースでは「言語コミュニケーションとは何か」が追求できる環境が用意されています。このコースで是非一緒に研究テーマを追求しましょう。私は大学卒業後、中国の日系企業に翻訳・通訳者として入社し仕事をしてきました。そこで翻訳・通訳の現場における異文化間コミュニケーションの問題に直面し、その解決策を探る中でトランスレーション・スタディーズに出会いました。翻訳研究という学問は幅広くて包容力があり、言語学や異文化間コミュニケーション論は勿論、社会学や文化人類学など様々な分野の理論も取り入れ、様々な切り口から実際の翻訳・通訳行為を解明しようとしています。このような学問をさらに追究したいと思い、在学中、私は言語コミュニケーションコースをはじめ、他コースの授業を履修して分野をわたって知識を学び、博士論文では通訳者の倫理に重点を置いて研究しました。授業で先生方の話を聴きながら他の院生たちと議論を交わし、多様な視点を得ながら学ぶことができました。

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