神戸大学大学院 国際文化学研究科 2024-2025
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研究科への招待国際交流CoursesnvitationQ&AI尾﨑 祐真さん(博士過程後期課程2年)神戸大学国際人間科学部卒業研究テーマ:「3DCGと音声認識を用いた外国語学習環境の構築」齋藤 景子さん(2021年度博士前期課程修了)研究テーマ:「日本人英語学習者の論証文における熟達要因に関する質的調査」現在、東京大学教育学部附属中等教育学校英語科教諭陳 迪さん(博士後期課程3年)中国上海外国語大学国際文化交流研究科修士課程修了研究テーマ:「日本語コーパスを用いた漢語動名詞の用法解明と日本語教育への応用」Zachary Nanbuさん(2022年度博士後期課程修了)神戸大学国際文化学研究科博士課程前期課程修了研究テーマ:Second Language Pedagogy and Use in an English Village: Interactional Practices and Sequential Structure現在、同志社大学特任助教Graduate School of Intercultural Studies|31 所属学生からのメッセージ修了学生からのメッセージ英語以外の外国語教育を学ぶことはできますか?本コースでは、英語・日本語・中国語・ドイツ語の研究指導も行っており、所属学生もこれらの言語を専攻し、分析しています。多言語の視点から外国語教育を考えられるのも本コースの特徴の1つです。英語教員免許を取得できますか?学部時代に一種免許状を取得している場合は、博士前期課程で指定された科目の単位を取得することによって専修免許状を取得することができます。また、一種免許状を取得していない場合は、大学院に在籍しながら学部科目を並行履修して、教員免許(一種免許状)取得に必要な不足単位を補うことが可能です。学部時代の専門が語学や教育学ではないのですが、本コースで研究していけるでしょうか?これまでに在籍していた院生の学部時代の専門は、言語学・言語教育学のみならず、文学・法学・経済学・理工学などさまざまです。語学力と語学教育への熱意があれば、大学院において新たに外国語教育の研究を始めることも十分に可能です。本コース本コースでは、定期的に集団指導が行われます。その際には、ポスター発表や口頭発表を通じて自身の進捗状況を報告し、所属する教員や他の学生からフィードバックを受け取ることができます。コースにはコーパス言語学、教育工学、会話分析、認知言語学、歴史語用論など、多岐にわたる専門分野の教員が在籍しており、頂いたアドバイスは新たな視点を得るのに役立てることができます。私は学部時代にプログラミングの経験がありませんでしたが、独学で学びながら、授業やゼミで分からないことがあれば積極的に質問し、成長してきました。文系出身者や理系出身者に関わらず、このコースに所属してから学ぶことができます。また、研究で何か困っている場合でも、教員や先輩から適切なサポートを受けることができ、また同期の仲間たちと協力できる良い環境が整っています。外国語教育に関心を持つ皆さんと共に研究ができることを楽しみにしています。そのようなときに必ず思い出すのが、大学院での学びです。本コースでは、外国語教育分野を満遍なく学ぶことができます。研究に対して具体的なイメージを持っていなかった私も、講義や演習を通じてこの分野の地図を思い浮かべられるようになりました。また、年5回の集団指導によってコースの先生方から頻繁にご助言をいただき、自身の研究テーマである日本人英語学習者の論証文における熟達要因について、多くの先生方に支えていただきながら論文を完成させ、教員としての学術的なアイデンティティを確立することができました。2年間の学びにより、生徒の困難感の解消や授業改善を試みる際に、外国語教育分野の地図を頭のなかで開き、どこに根を張っているのかを考えることができています。また、自身の専門分野となった作文をはじめ、根拠のある自信に基づいて指導することができています。これは生徒との信頼関係にも影響していると感じます。大学院に行かなくても教員になることはできますが、教員としての生き方をさらに充実させたい方には本コースをお勧めしたいです。私は大学4年間、神戸大学に通いながら、塾講師として集団指導のアルバイトをしてきました。集団指導の現場では、一人の教師が複数の生徒を相手にするため、スピーキングの指導が特に難しい課題となっています。そこで、コンピューターを活用した語学学習支援に興味を持ちました。コンピューターを用いたスピーキング指導にはどのようなシステムが最適かを検討し、先行研究を参考にしながら、自身でプログラムを試作して実行し、その結果を検証しています。私は中高一貫校で英語の教員をしています。授業中、複数の生徒が同じ箇所で同じようなエラーを起こしていたり、習熟度によってつまずきに傾向の違いがあると感じたりします。また、授業がうまく生徒の英語習得につながったと思うときもあれば、失敗したと思うこともあります。では、導入的な講義を体系的に開講しているので、2年間で修士レベルの知識や分析スキルを身につけ、さらに、博士課程で研究を深めることができます。留学経験者は多いのでしょうか?在籍中に、米国、ドイツ、豪州などで留学を経験した学生も多くいます。また、韓国で実地調査を行った学生もいました。院生が留学しても、指導教員はメールなどで頻繁に連絡をとり、きめ細やかな指導とサポートを提供しています。過去の在籍者には留学生も多く(中国、米国、モーリタニア等)、国際色豊かなコースです。修了後の進路状況はどうですか?教育職への就職が非常に多くなっています。前期課程修了者は、全国の公私立の高校・中学校の英語教諭として活躍しており、後期課程修了者は国公私立大学や海外の大学の教員に就職しています。この他にも、民間企業の海外部門で活躍する修了生もいます。また、小中高や大学で教員として勤務しながら本コースで研究活動に取り組んでいる学生もいます。博士後期課程に進学する前に、自分が日本語を専攻していないことに不安を感じていましたが、毎週のゼミで、指導教員の先生からの丁寧なフィードバックを頂けるだけでなく、優れた研究者になるためのスキルをトレーニングすることができます。さらに、本コースの一つの特徴である集団指導があり、コーパス言語学・教育工学・音声学・会話分析・歴史語用論など、様々な専門分野のコースの先生方や、他の学生たちの前で、研究の進捗状況を定期的に発表します。これにより、指導教員以外の先生方からも自身の研究に関する様々なコメントやアドバイスを頂けるので、新たな方向性を発見することができます。このような良い環境で、大変充実した研究生活を送っています。Kobe University's master's and Ph.D. courses provided me with an excellent environment for developing as a language scholar. The Shudan Shidou (group guidance) process was invaluable to my research, providing exposure to concepts and ideas from a wide variety of theoretical perspectives. Regularly presenting my own work helped me to hone my presentation skills, and the expert feedback I received from the professors and my peers was immensely useful for refining my study. Although completing a dissertation may seem daunting, the clear structure and milestones that this course provides made it easy to stay on track. 私は学部時代から中国語学と国語教育について学び、修士課程に進学し、日本語を母語とする中国語学習者向けの中国語教育を研究・実践する中で、言語データを集めた「コーパス」というものを知りました。コーパスを用いて人間の言語運用の実態を調査し、計量的手法を踏まえて考察することで、言語の特性や学習者の言語習得の特徴をより客観的に明らかにすることができます。私は現在、コーパス言語学の手法に基づき、日本語母語話者や学習者における漢語動名詞の頻度や用法を調査し、日本語教育への応用を目指しています。During my time as an undergraduate at the University of Hawaii at Hilo, I began working as an ESL tutor and discovered that I enjoyed teaching and learning about language. After graduating with a bachelor's degree in linguistics, I moved to Japan to further my education and learn more about second language pedagogy. Following a series of serendipitous events, I found myself in Kobe University's master's program under the guidance of Tim Greer where I began using Conversation Analysis (CA) to examine the interactional practices of language learners.After completing the master's program, I opted to continue furthering my research by entering Kobe University's Ph.D. course where I used CA to examine naturally occurring interaction among language learners and teachers at an English village. Contents in Second Language Education

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