研究科への招待国際交流CoursesnvitationQ&AI張 徳陽さん(博士前期課程2年)香川大学経済学部卒業研究テーマ:「香港人のアイデンティティ変容に対する両文三語政策が与えた影響」劉 燕さん(2022年度博士課程後期課程修了)大阪市立大学(現大阪公立大学)博士課程前期課程修了関西大学博士課程前期課程修了研究テーマ:「中国亡命知識人のライフ・ヒストリーとヒストリーの交差―外と内,境界・周辺―」現在、神戸大学などで非常勤講師、著述家Graduate School of Intercultural Studies|7 Asia-Pacific Culture Studies所属学生からのメッセージDOU YUNHAOさん(博士前期課程2年)華東師範大学歴史学部卒業研究テーマ:「大躍進運動における大衆動員政策に関する研究」修了学生からのメッセージ森田 理央さん(2022年度博士前期課程修了)関西学院大 国際学部卒業研究テーマ:「北京学生運動における愛国主義」現在、野村證券株式会社勤務留学生や社会人入学の院生もいますか ?本コースでは日本人と留学生の両方がいつも多数在学しており、年度によっては、社会人入学・長期履修生の院生もいます。私は、小さな頃からずっと歴史に興味を持ち、学部は歴史学部に進学しました。学部時代は、歴史学の授業を受け、毛沢東時代の中国に関心を持つようになり、それに緊密な繋がりがある大衆動員政策のやり方と効果について研究しようと、具体的な研究計画を立てる時に、本研究科の谷川先生の論文に大いに啓発され、アジア・太平洋文化論コースへの進学を決めました。大学院の授業では、受動的に先生の話を聞くのではなく、先生や他の学生と議論し、自分の疑問を投げかけ、自分の思想を述べることが大切だと思います。授業では主に発表と議論が行われます。つまり、専門書・論文を読み、その内容を要約し、疑問点を挙げ、授業中に議論します。それを通して、批判的な思考力と問題意識を養いながら、研究論文の構造と研究のやり方も身につけます。本コースでは、異なる研究分野の諸先生から、細かい指導を受けることができます。また、授業で先生と議論する機会も多く、社会学、人類学、歴史学、政治学など、様々な分野の考え方・研究方法に接触し、アドバイスがもらえ、多角的に問題を分析することができます。それがアジア・太平洋文化論コースの魅力だと思います。私は 「真の中国に触れたい」という思いから、大学3年生のときに日本と歴史的に関わりが深い吉林省長春にある吉林大学に半年間交換留学をしました。実際に中国で生活をしていると、中国文化のみならず、中国の人々の寛大さや力強い姿に強く心を惹かれた一方で、日中の歴史が残した深い傷跡を経験することも多々ありました。帰国後、私は「中国愛国主義」の研究を志すようになりました。そして、社会学(中国・文化大革命)がご専門である谷川先生のご指導を仰ぎたいと思い、神戸大学大学院への受験を決心しました。私がアジア・太平洋文化論コースで学び得たことは、決して受動的に指導を受けるのではなく、自ら主体的に好奇心を追求することこそ、研究への情熱を燃やし続ける鍵になるということです。本コースの先生方は、厳しくも学生の熱意と意欲に真摯に向き合い、温かく支えて下さいます。これから本コースに入学される皆さんには、先生方とともに、自分自身の熱意をさらに高め、研究を深めていただきたいと思います。皆さんの神戸大学大学院での日々が、実りある時間となるように祈っています。私の大学院での学びは、学部時代の恩師の次のような言葉で特徴づけられていると思います。「生まれ育った場所から離れたことにより、これまで『当たり前』と思ってきた多くのことが、実は『当たり前』でないことに気付かされ、地域と社会を相対化して観察する視点を獲得することができる。」自分の出身地で調査を行っても、対象が言語・文化を共有する人々であっても、必ずしもスムーズに進むわけではありません。入学する前の去年3月には、香港国際空港で簡易な事前調査を行いましたが、予想以上に困難で、無力感を感じました。本研究科に進学してから、1年目の前期にはフィールドワークに関連する授業を中心に受講し、現地での調査を行う際の注意点を多く学びました。本研究科で培った知識を活かして、調査の計画を練り、修士論文作成に向けて調査・研究を進めていく予定です。最後に、本コース受験を検討している皆さんに、本コースでの充実した研究生活の機会があることを心から祈っています。私は五十代で博士後期課程に入学しました。博士後期課程入学以前には、故郷の湖南省を離れてから日本やアメリカを遊学し、非常勤講師でフリーの著述家として、研究・教育・日中バイリンガルの翻訳や創作と、二足のわらじならぬ三足のわらじで、経済的に安定した基盤は確保されないものの、自由気ままに過ごしてきました。何故、今さら博士号の取得を目指したか? アカデミズムの学者気取りのつもりは毛頭なく、キャリア・アップに結びつくことも期待していたわけでもありませんでした。その一因は、博士後期課程入学前、谷川教授から勧められたマックス・ウェーバーの『職業としての学問』の一文にありました。そこには、専門分野において「後々まで残る仕事を成し遂げ」るならば、「生涯に一度だけ、二度と味わうことのできない深い喜び」が得られるだろうと記されていました。この言葉が私の背中を押してくれました。博士論文では、亡命により国家や民族という枠組みを超えることを余儀なくされた知識人が、各自のを越境させ、文化を国際化させるアクターとなっていることに着眼し、激動の歴史に翻弄されながら真理の追究のために学問や言論の自由を求めて苦闘する亡命知識人の普遍的な存在意義を導出することを目指しました。どこに行くときも文献とパソコンを入れた数キロのリュックを背負い、幾つもの資料を精読し、世界各地にしている証言者に資料の内容を確認し、授業の合間、朝から晩まで細切れの時間に博論を書きました。本学では異なる研究領域の諸先生から学際的で柔軟なアドバイスをいただくことができました。本コースでは、教授陣からの強力なサポートを得たのみならず、院生研究室において留学生や日本人学生の「学弟」、「学妹」との楽しい雑談により、生活や研究の苦楽を分かち合うこともできました。無論、学問、そしてそれに基づく実践は、博士論文の提出で「修了」となるものではありません。これまでの研究の検証、それを行う自分自身をも省察し、さらなる知見の創出に努めたいと考えています。人があまり通っていない茨の道を歩いて行くのは案外おもしろいかもしません。私は学部時代には経済学部で学んでいましたが、2019年の香港社会運動に大きな衝撃を受けたため、自分の専攻を地域活性化論から地域社会研究に変更し、運動のメカニズムを明らかにするため、それに関連する授業を中心に受け始めました。人種、民族、移住・移動、国家、性別、言語など、個人のアイデンティティを構成する主な要素の中で、特に個人のナショナルアイデンティティと国家の言語政策との関係に関心を抱き、ポストコロニアル香港や戦後の台湾を研究対象として卒業論文の研究を始めました。その後、研究者への道を志し、当時の指導教員と相談した結果、大学院に進学することを決めました。そして、数多くの大学院の中から、地域研究がご専門である貞好康志先生のご指導を仰ぎたいと思い、神戸大学大学院を受験し、現在、貞好先生をはじめとする本研究科の先生たちのご指導の下に研究を進めています。
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