砂口 文兵 准教授 「経営管理」音川 和久 教授 「財務会計」 経営は、大変複雑な現象です。神戸大学経営学部は、あらゆる角度から経営について考え、学ぶことができるように、経営学、会計学、商学(市場システム)などの諸専門分野にわたる包括的な教育体制を敷いています。経営学部に入学すれば、このいすれの科目も自由に履修することができます。経営学部で講義される科目名は、7ページの図2に掲載されています。 それぞれの分野で、あなたはどんなことを学べるのか、何が得られるのか、授業科目の例を取り上げて具体的に紹介してみましょう。 ひとは、なぜなにごとかに打ち込むのか(モティベーション論)、ひとは他の人びととどのようにチームワークをとるのか(グループ・ダイナミクス)、他の大勢の人びとをどのようにして引っ張っていくのか(リーダーシップ論)、何万ものひとを調整しながら動かすためにはどのような分業を作り出せばいいのか(組織構造論)等について学びます。会社でいったいなにが起こっているのかについての実例とともに、これらの問いを深く考察することになります。 しかもそれぞれの問いは、学生生活でも経験する身近な問いでもあります。たとえば、クラブ、大学祭、アルバイト、ボランティアなど多様な場面で、大学生活でも経験することに密着した身近なトピックです。 みなさんは、新聞やテレビで、「〇〇会社の今期決算は増収増益」とか「××会社が2年連続で債務超過」などの報道をみたことがあるでしょう。財務会計は、会社が過去1年間に行った事業活動(販売、製造、投資など)について、どのくらい儲けたのか(利益の計算)、あるいは、今後引き続き発展していくために十分な資金があるのか(財産の計算)などを明らかにします。したがって、財務会計の考え方や方法を学べば、冒頭の報道がどのような意味を持っているか、みなさん自身で判断することが可能となります。 このような身近な報道に代表される、会社の利益や財産に関する情報を理解できるということは、みなさん一人一人が、株式に投資をする、取引先の状況をよく知ったうえで契約を結ぶ、新しい商売を始める、あるいは、会計の専門家として公認会計土や税理土になるなど、重要な意思決定や職業それ自体の選択に結び付く大切な知識を体得することを意味しています。8理論と実践が調和した多彩な講義でマルチアングルから経営を考えます
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