担当教員:津田明彦 メタンは地球上で最も豊富に存在する炭化水素です。しかし、CO2の約25倍の地球温暖化係数を持つため、削減が強く求められています。私達は、当グループオリジナルの光オン・デマンド有機合成法を用いて、メタンを原料として、医農薬原料やポリマーなど、さまざまな機能性化合物の開発研究に取り組んでいます。有機反応化学:触媒開発に基づく高難度変換反応の開発担当教員:林 昌彦、松原亮介 人が健やかで快適な生活を送るには、医薬品、ポリマー、電子材料などの有機物質が欠かせません。私たちは、独自に設計した触媒を用いて、それら物質の効率的な合成法の開発や新規機能性分子の創製を行っています。特に人工光合成の実現を目指し、太陽光エネルギーを利用した光化学反応の開発とその学理解明に注力しています。生命分子化学:タンパク質の構造と機能担当教員:田村厚夫、茶谷絵理、木村哲就 生命は、遺伝子に含まれる情報にしたがってタンパク質がつくられるところから始まりますが、タンパク質がどのようにして立体構造を形成し、機能を発揮するのか、実はよくわかっていません。この基本的な課題の解決に向けて、私たちは、膜タンパク質などさまざまなタンパク質の構造と機能や、アルツハイマー病発症の際に構造形成過程の誤りによって凝集する機構を調べています。さらに、新しい構造や機能をもったタンパク質を自らデザインしてつくり出す研究に取り組んでいます。有機分子機能: メタンを原料とする卒業・修了後の進路 ここ数年の化学科の卒業生の進路は、約8割が大学院博士前期課程(修士課程)に進学して研究を続けています。そのほとんどが神戸大学大学院博士前期課程化学専攻への進学ですが、他大学の博士前期課程へ進学する人もいます。約1割が民間企業へ就職しています。 博士前期課程(修士課程)修了後は、約7割が化学、薬品、香料、材料、電機、機械、印刷、情報などの様々な分野の民間企業に就職しています。1~2割が神戸大学大学院博士後期課程(博士課程)に進学しています。博士後期課程修了後は、大学や研究所(海外も含む)で博士研究員(ポスドク)になる人が多いですが、企業に就職する人もいます。二酸化炭素固定化の反応機構二酸化炭素固定化の反応機構タンパク質の立体構造リチウムイオン電池の充放電過程の反応の進行の様子「京」での「NTChem」の並列性能学部卒業生の進路(2021〜2023年度)本学大学院 81民間企業 13その他 5有機化学講座光オン・デマンド有機合成構造解析化学連携講座シンクロトロン放射光が拓く材料科学(公財)高輝度光科学研究センター担当教員:上杉健太朗、小金澤智之、関澤央輝 加速器によって光の速度まで加速された電子が放射する強力なシンクロトロン放射光X線を使うことにより、機能性材料の微小・微量な単結晶・粉末の回折像から構造と物性の相関を解明することができます。また、X線分光法を用いれば、触媒、電池、生体、環境物質中などに含まれる微量な元素の化学状態や局所構造を解析することもできます。さらに、X線顕微鏡と組み合わせることにより2次元/3次元の化学状態・構造解析も可能です。シンクロトロン放射光による私達の研究では、機能や物性と関係の深い構造や電子状態を直接的に可視化する先端的な計測装置や先駆的な解析手法の開発を行っています。理論生物化学連携講座量子論に基づいた分子の世界の解明(国研)理化学研究所担当教員:中嶋隆人 私たちは、大規模で複雑な分子系に対する量子化学計算を実現するため、量子化学理論のブレークスルーを達成すると共に、量子化学計算ソフトウェア「NTChem」を開発しています。スーパーコンピュータ「富岳」を使うことで、生体分子等における化学反応や機能発現のメカニズムを分子レベルで解き明かしたり、インフォマティクスを併用して生分解性ポリマー等の材料設計をしたりしています。(大学院教育)(大学院教育)大学院博士課程前期課程(修士)修了生の進路(2021〜2023年度)本学大学院9教員・公務員1民間企業61その他 6 他大学大学院 4教員・公務員2研究内容
元のページ ../index.html#24