荒川政彦理学研究科長・理学部長は、基礎となる理論体系や実験手法を身に着けることが必要ですが、神戸大学理学部・理学研究科の各学科、各専攻では、十分な基礎および専門に関する能力が身に着く様に、良く練られた体系的なカリキュラムが整備されています。 近年、グローバル化の急速な進展に伴い、我が国の大学の国際化と国際競争力の向上が重要な課題となっています。理学部では学部1、2年生を対象とした「理学グローバルチャレンジプログラム」を実施しています。これにより、海外協定校への学部生の短期留学を積極的に推進します。さらに大学院前期課程においては、外国人留学生を対象として、その修学期間中、英語のみで単位を取得し修了する事ができる「英語コース」を設けております。これにより外国人留学生の積極的な受入を推進しています。 このように、神戸大学理学部・理学研究科は充実した教育と研究を行える設備と環境が整っています。知的好奇心に富み、未知の分野に意欲的に挑戦しようとする若い皆さんが、この六甲山麓の美しいキャンパスで学び、そして世界に羽ばたいてくれることを期待しています。MASAHIKO ARAKAWA恵まれた環境下、理学を極め世界へ羽ばたくmessage理学研究科長・理学部長からのメッセージ 理学部・理学研究科は、自然科学の基礎である理学諸分野における教育と研究を行っています。人類の知的好奇心は自然現象の理解と解明を常に希求し、そのために膨大な努力をしてきました。現象を注意深く観察し、データを整理し、法則性を発見すること、そしてその法則を論理的に説明し普遍的に成り立つ理論を展開すること、さらにその理論を実験で確かめること、そのような地道な努力の積み重ねは自然科学の基本的な手法です。 またコペルニクスによる天動説から地動説への学説転換に代表される、科学史におけるさまざまな歴史的発見は、自然科学の発展の原動力となり現在の骨格に大きな影響を与えています。その延長線上で、帰納と演繹の着実な反復により人間の自然に対する認識を豊かにしていくことが、理学部・理学研究科の基本理念です。 この基本理念に立ち、神戸大学理学部・理学研究科は伝統的な学問体系を基とした5つの分野、即ち、数学、物理学、化学、生物学、惑星学、から構成されています。私たちはこの構成が自然科学の基礎を学び、そして研究を進展させる上で最も適した形であるとの信念を持っています。 1学年の学生数は、理学部では153名(3年次編入生を入れて178名)、大学院理学研究科の前期課程で122名、後期課程で27名です。一方で理学研究科及び関連研究センターには116名ほどの各教育研究分野で国際的に活躍する教員を擁しており、理学部学舎や近接する自然科学総合研究棟において教育と研究を行っています。理学部学舎は、ICT教育に対応した講義室やラーニングコモンズ等のスペースが用意されており、さらに、教育・研究活動の効率化のため関連する研究分野の研究室・実験室が集中的に配置されています。これによって、教員と学生が教育と研究の両面で密に接することができるような少人数専門教育が可能となっています。この少人数専門教育こそが神戸大学理学部・理学研究科の大きな特徴です。 理学分野の研究には何よりもまず旺盛な知的好奇心と、物事を深く考え、正しく理解したいという強い欲求が必要です。そのために
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