2024学科紹介第74回 日本体力医学会大会病院での勉強会28 私は神戸大学を卒業した後、横浜市スポーツ医科学センターで理学療法士として勤務し、学生や社会人スポーツ選手、トップアスリート(プロや日本代表レベル)、スポーツ愛好家など様々な環境で活動する多種目の方々を対象とした理学療法に従事しています。 スポーツ選手に対する理学療法で特に重要なことは、怪我からの早期復帰に加え、パフォーマンスの向上と怪我の再発予防を両立させることです。そのため、治療に関する知識だけではなく、各種スポーツ動作中に身体へ加わる負荷(バイオメカニクス)を推定して理学療法プログラムを作成します。さらに、スポーツ選手に関わる理学療法士の役割は、クリニックで選手の怪我の治療をすることだけではありません。我々は、スポーツ現場でのトレーナー活動や怪我からの早期復帰や予防に関する学術活動(研究)を推進するなど、診療業務以外でも広く活動しています。 スポーツ現場での活動としては、サッカーやバスケットボールのプロチーム、パラスポーツのゴールボール日本代表チームなどと協定を結び、練習や試合、遠征へのトレーナー帯同やメディカルチェック等を実施しています。また、スポーツ現場に対する怪我予防の啓蒙活動も行っています。一例として、小・中学生の野球選手を対象とした野球クリニックを開催し、投球障害の知識に関する講義から投球フォーム解析、怪我 私は、神戸大学を卒業し、理学療法士免許を取得後、そのまま神戸大学大学院博士課程前期課程に進学し、非常勤で理学療法士として働きながら研究に取り組み、修士号取得後は神戸市内の急性期総合病院で働きながらさらに大学院博士課程後期課程に進学し、臨床と研究の両方に取り組んでいます。 神戸大学時代は、講義の数も多く大変な思いも多くしましたが、準硬式野球部に所属しながら部活動に打ち込んだり、アルバイトをしたりと、充実した4年間を過ごすことができました。神戸大学は1学年の人数が少なく同期の仲が良く、卒業後の今でも時々集まって学生時代の話をしたり、現在の話をしたりしています。先生方は、それぞれの領域の第一線で活躍されている方ばかりであり、質の高い教育を受けることができます。さらに、学年を超えた交流が密であり、先輩方も理学療法士としてだけでなく、行政・研究・企業など様々な分野でご活躍されており、そういった先輩方の話を聞く機会も多いため、学生のうちから将来の視野が広がります。私は、自身の怪我をきっかけに理学療法士を志し、神戸大学に入りました。入学前は“理学療法士”といえば、整形外科で働き、スポーツ選手などを相手に仕事をする、といったイメージを持っていましたが、4年間を通して、理学療法士の幅広さを知りました。卒業研究では、運動生理学という分野について研究をする中で、わからないことを明らかし、社会に貢献することの大切さを知り、研究をしたいと思い、大学院に進学しました。大学院では、研究の傍ら、理学療法士として働く中で、臨床での疑問を研究の中で明らかにし、患者さんに還元したいと思い、現在に至ります。 大学入学から7年と、まだまだ経験は浅いですが、この短期間で多くの経験ができ、多方面から刺激が得られたのも、神戸大学ならではだと思います。ぜひ、神戸大学で刺激の多い充実した4年間を過ごしていただければと思います。予防エクササイズの指導などを行なっています。 今の職場に来られたのは、神戸大学での4年間のおかげです。神戸大学は、整った教育環境で熱意のある学生が多数在籍し、「縦横の繋がりが強い」のが長所であると思います。1学年約20人と少数ですが、先輩や後輩、大学院生や先生方との繋がりが密です。私も入職時にはこの繋がりを活かし、大学院の先輩から現職場の紹介を頂くことができました。 理学療法士を志したきっかけを大切に、ぜひ神戸大学へ来て学び、自分の夢を叶えてください。理学療法学専攻卒業生からのメッセージ
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