2024学科紹介29また、私達の仕事は人を対象としており、特に精神科における作業療法では自分自身も患者さんの回復をサポートする有用な道具の一つとなり得ます。そのため、患者さんの症状だけでなく、長所や性格、思いや希望、過私は現在、作業療法士として精神科の病院で働いています。病院には様々な疾患の方が入院されていますが、同じ疾患でも症状の現れ方が人により様々です。その異なる様々な状態を理解するには、実際の経験と多岐にわたる具体的な知識が必要です。しかし、その根本にはその典型例の理解、基礎的な症例の知識が不可欠です。神戸大学では基礎を重視した内容の授業を行っているため、「なぜ」「どうして」という根本の部分からしっかり学ぶことができます。 私は現在、回復期の病院で作業療法士として働いています。私の病院では、脳血管障害をはじめ、神経難病、脊髄損傷といった様々な疾患の患者様が社会復帰をしていく手助けを行っています。 作業療法では、機能訓練や、訓練室内のトイレや浴槽など模擬的な場面を利用した日常生活訓練、調理などの家事動作訓練、趣味活動へのアプローチなどを行い、必要な人にはさらに、外出訓練や、自宅訪問をして自宅環境の調整や動作指導なども行っています。他にも、患者様がここち良い生活が出来るよう、便利な道具を作ったり、動作の指導もしています。一人一人に必要なことが異なるので、毎回試行錯誤が必要となり、そのおかげで日々新鮮で楽しいです。また、できなかったことが一人でできるようになった時の患者様の笑顔と「ありがとう」の一言は、本当に作業療法士をやっていて良かったなと感じる瞬間です。去や環境など様々なことを含めて一人一人についてその人を知ることが大切です。その上で、その人らしい生活が送れるよう共に考えお手伝いをするわけですが、その際、私一人でなく、その患者さんと関わる他職種のスタッフと連携することが必須です。この点でも神戸大学には他職種との協力を学ぶ授業もあり、とても役に立っています。また、専門授業は少人数制であるため、各分野で活躍されている先生方のご指導や、目標を同じにする仲間との学びは自分自身についての理解も深め、医療職に携わるにあたっての人間性のみならず、社会人としてのマナーも身に付きます。熱心な先生方は卒業後も親身に相談にのってくださり、共に学んだ仲間とは現在も切磋琢磨し、良い刺激としてスキルアップへの活力となっています。皆さんも、財産となる学びや出会いを神戸大学で得てみませんか! 神戸大学では、親身な先生方が多く、人数が1学年あたり20人と少ないので、丁寧な指導をして頂きました。私が好きであった基礎作業学の授業では、陶芸や編み物など多くの活動を体験し、治療に必要な作業について学びました。その知識は、楽しみを取り入れたリハビリを提供する上でも、今非常に役立っています。在学中には、病院実習、解剖学実習、実技練習などもあり、座学以外からも多くのことを学べます。また、卒業した今でも、先生方や先輩・後輩を含めた勉強会も定期的に開催されています。4年間、実習やテストなど大変なことも多いですが、かけがえのない仲間たちに出会え、多くの事を学び経験でき、充実した学校生活が送れると思います。受験勉強は大変だとは思いますが、夢に向かって頑張って下さい。FacultyofHealthSciences作業療法学専攻
元のページ ../index.html#31