2024学科紹介5 解剖学は看護学や検査技術科学、理学・作業療法学の基礎となる重要な科目の1つです。神戸大学医学部保健学科では、1年次後期から始まる解剖学の講義を通して身体の構造や機能を学んだ後、2年次後期に4専攻全ての学生を対象にして解剖学見学実習を行っています。理学療法学専攻は、3年次後期に2度目の解剖学見学実習が行われます。両実習では、遺族の了解のもと、実際の解剖学について、厳しくそして深く学びます。この実習では体内にある臓器の形や大きさ、臓器相互の位置関係などを直視下で観察して、講義で学んだことを3次元的に深く理解するとともに、人体に個体差があることを理解します。さらに解剖学見学実習を通して生命の尊厳についても学んでいきます。この実習を通して学生達は医療職者を目指すことについて深く考え、自覚を強く持つようになります。 2024(令和6)年度より、ウェルビーイング教育プログラムコースが、人間発達環境学研究科と共同して開設されました。ウェルビーイングとは、「肉体的、精神的及び社会的に完全に良好な状態」を指す概念であり、国連の定める持続可能な開発目標(SDGs)にも掲げられています。本コースは、健康・発達・環境の領域から生涯にわたるwell-beingを掲げ、少子高齢化社会での深刻な課題解決に貢献する専門的能力を養成することを目標としています。保健学・人間発達環境学の大学院生が一緒に一人ひとりの人間のウェルビーイングの実現をめざし、人間の発達や健康および環境が人間のウェルビーイングに与える影響について、基盤となる理論や実証的研究に基づく知見を学びます。FacultyofHealthSciences解剖学見学実習大学院保健学研究科の特色英語コース(International Course for Health Sciences: ICHS) 2012(平成24)年度より前期課程の大学院生を対象に英語コース(InternationalCourseforHealthSciences:ICHS)を開講しました。2014(平成26)年度からは後期課程の大学院生にもICHSが開講されました。これは、大学院生がその修学期間を通じて英語のみで単位を取得し、修了することができるコースです。専任教員による英語講義に加え、ネイティブ教員による通年の講義、また、夏季には国内外から国際保健分野の専門家を講師として招いてSummer Education Programを開講しています。本コースを受講することで、保健活動を展開するためのコミュニケーション能力や異文化理解能力を身に付け、海外における社会・経済状態や生活様式に適合した総合保健学を創造・実践することができます。国際貢献できるより高度な保健実践専門職者を養成することを目的としています。ウェルビーイング教育プログラムコース
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