神戸大学 大学院工学研究科・工学部 2024
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1■■2■■3■■4■■■■■■電気電子工学科は、電子物理、電子情報の2つの講座からなります。互いに緊密な協力のもとに電気電子工学に関わる技術・理論を総合的に捉え、基盤技術となる材料、デバイス、回路技術や、電子情報システム及び電気エネルギーシステムにおける通信、情報処理、制御技術について総合的に教育を行っています。電子物理の分野では、電子・光子現象の工学的応用の基礎となる固体物理学、表面物理学、光・電子物性、電子材料工学、その応用としての集積回路デバイス、光エレクトロニクスデバイス、量子効果デバイス、ナノ材料・ナノデバイス等の材料およびデバイスの物理と設計・製作、電気エネルギーシステムの高効率化や安定化のための電気エネルギー変換システム制御理論・技術、プラズマエネルギー応用機器や超電導電力システムの設計・制御、制御系の設計理論・計装技術などに関連した教育・研究を行っています。電子情報の分野では、IT技術・電子情報通信システムの基本要素となる回路技術およびアルゴリズム、計算機援用システム設計(CAD)、情報の伝送・処理・変換に関する技術・理論としての計算機ハードウェア、ユビキタスネットワーク、ウェアラブルコンピュータ、パターン認識、言語理論、計算機システム制御、システム最適化の理論と応用など、幅広い教育・研究を行っています。電気電子工学の学問・技術分野の基礎から応用まで調和の取れたカリキュラムを編成しています。開講されている科目を分類すると、1、2年次には、大学における学びについて考える初年次セミナーと、自主的学習・問題解決能力・発想力の体得を目的とした電気電子工学導入ゼミナールにおける少人数教育に始まり、電気電子工学の“専門基礎科目”として、物理、数学、化学分野の基礎科目が開講されています。並行して1~3年次に“専門科目”として、電磁気学、電気回路論、電子回路、プログラミング演習、電気電子工学実験などが開講されています。さらに“専門応用科目”として、量子物理工学、固体物性工学、半導体電子工学などの電子物理系科目と、情報理論、計算機工学、データ構造とアルゴリズムなどの電子情報系科目、および電力工学、電気機器、制御工学などの電気エネルギー制御工学系科目が開講されています。4年次には電気電子工学科内のいずれかの研究室に配属され、卒業研究を行います。所定の条件を満たせば、3年次後期に研究室に仮配属される制度も用意しています。電気電子工学分野においては、ナノ構造材料や新機能材料および量子効果材料・デバイスの開発、超ギガビットスケール集積回路、テラビットからペタビットに向けた大容量通信、次世代超大容量計算機、脳機能を目指す人工知能、新電力エネルギー技術開発、さらに環境・医療・安全・生命工学への電気電子工学の応用など極めて重要な研究課題に直面しており、大学に対する基礎研究面での期待がかつてなく大きくなっています。電気電子工学専攻はこのような期待に応えるべく計画されたもので、電子物理、電子情報の2つの学問分野が機能的に融合した新しいコンセプトに基づく専攻です。その特徴は、電子・情報工学のハードウェア、ソフトウェアからシステムまでの一貫した大学院教育と研究が遂行できる組織となっているところにあります。本専攻では、幅広い内容を備えたカリキュラムを編成し、博士課程前期課程においては、高度な専門基礎学力と基礎的研究能力を備えた人材の育成を目指しています。また博士課程後期課程では、さらに専門的・先駆的な研究能力を持った人材を養成しています。教育研究の基本的内容は、エレクトロニクスの基礎としての電子材料物性とデバイス物理、情報の変換、伝送、処理の理論と技術、電磁エネルギーの変換、伝送、制御と新エネルギーシステムの基礎などです。このため、電気電子工学専攻には、電子物理及び電子情報の講座を設置しています。16■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■IT■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■LSICAD■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■AI■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■Electrical and ElectronicEngineering電気電子工学科の特色電気電子工学科のカリキュラムの特色電気電子工学科のカリキュラム構成電気電子工学専攻の特色Faculty of Engineering / Graduate School of Engineering / Kobe University電気電子工学科・電気電子工学専攻高度情報化社会を支えるハードとソフトの技術者・研究者育成電気・電子工学は、産業界はもちろん、日常生活においても必要不可欠な基盤技術となり、その進歩には、目を見張るものがあります。特に、エレクトロニクス分野の技術革新は、スマートフォン、タブレット等の携帯情報機器、コンピュータ、LSI、LED、太陽電池、光ファイバ、新素材などのハードウェアを提供し、これらを結び付ける情報通信ネットワークやソフトウェアの技術と融合して、高度な情報化社会を実現してきました。さらに将来、生体や環境から必要な情報を得るスマートセンサ、高度な判断・制御を行う人工知能などを含めた他の高度技術と融合して、社会により大きな恩恵をもたらそうとしています。電気電子工学科および電気電子工学専攻では、時代のニーズに応えるべく、電磁気・回路・コンピュータの基礎はもとより、LSI設計、情報通信・暗号理論、ウェアラブル機器、量子ドットやナノデバイス・有機材料を応用した新たな素材・素子・センサデバイスの開発、エネルギーの発生・変換および制御と高度化利用などに関する教育研究を行い、優秀な人材の育成と先端的な研究を通じて社会への貢献に努めています。

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