応用化学科と応用化学専攻は、新しい理念により物質化学と化学工学の分野の教育研究を統合的に行うために組織された総合的な化学系学科です。分子レベルのミクロな基礎化学から、分子集合体である化学物質・材料への機能性の付与、機能性の発現、物質の創製および生産技術への生物機能の工学的応用、実際のマクロな工業規模の製造、生産の技術やシステムなど、多様な広範囲の教育内容を新しい規範により縦横に統合し、年間の学部教育から~年にわたる大学院教育まで一貫性のある教育を行うことを目指しており、つの講座があります。さらに大学院では上記の2つの講座に加え、(国研)産業技術総合研究所関西センターなどの研究者を客員教員とする連携講座を有しており、その研究リソースの活用による共同研究や新しい学問領域の開拓と豊富化を図っています。Chemical ScienceandEngineering24グローブボックスでの無機材料作製応用化学の教育の特色反応器内の可視化解析カリキュラムの特色微細藻類の培養の様子Faculty of Engineering / Graduate School of Engineering / Kobe University物質化学講座原子とそれによって構成される分子の世界と、分子の集合により作り出される多様な機能とを結びつけることを目的とし、原子・分子レベルの物質からナノ、メゾ、マクロに至る広範囲の集合体を対象として、化学物質・材料の精密かつ高度な機能性の付与及び機能性の創製を行い、工学の立場から機能発現の機構解明とそれに基づく新規な物質創製技術について教育研究します。化学工学講座化学反応及び生物反応に基づく物質・エネルギー変換過程における、分子間相互作用、生体分子機能及び物質・エネルギー移動現象の解明に基づいて、新規素材・反応触媒の開発、反応・移動現象の制御法の確立、新規生産プロセスの創造をすすめ、有用物質、エネルギーの高効率化、低環境負荷生産プロセスの開発について教育研究します。学部基礎学問を修得すると同時にいろいろな学生実験によって研究のための基礎学力と実験の計画・解析の力を養います。年生の卒業研究においては、学生は各教員の研究室に配属され、少人数グループ方式で実験、演習・討論やコンピュータ利用などの実践的指導を受けながら有意義な研究活動をすることができます。学生はこのようなゼミナール活動を通じて学生同士だけでなく教員と親密な交流を行うことにより、調和のとれた優秀な研究者、技術者に成長することを期待されています。大学院博士課程前期課程は実験、原著論文の講読、討論等のオンジョブトレーニング(OJT)に重点をおいた教育・研究を行い、幅広い分野における基礎的学識と、各専門分野における厳密な解析能力・周到な計画能力の向上を図っています。また、博士課程前期課程修了後には博士課程後期課程に進学することが可能であり、専門分野に関する造詣を深化するのみに止まらず、異分野の最新動向も随時修得することにより、現代の社会情勢に即応しつつ新たな化学技術を開拓してゆける創造性の陶冶を目指します。応用化学科・応用化学専攻応用化学は世紀の夢を担う化学工業は石油化学製品、金属、セラミックス、プラスチックスのような基礎素材の生産だけでなく、エレクトロニクス、ナノテクノロジ、分子機能工学、エネルギー工学、バイオテクノロジ、医工学、食品工学などあらゆる分野の工学や産業において多大の貢献をしています。近年のめざましい、かつ急速な科学技術発展の根幹には、化学の分野の研究者・技術者によってなされた“材料革命”と呼べる精密かつ高度な機能を有する物質、材料のめざましい研究開発と、高度生産技術の研究開発が密接に関係しています。エネルギー・環境問題を視野に入れた、化学工業の“健全な発展”無くしては、将来の人類の繁栄と安泰を語ることはできないと言っても過言ではありません。
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