システム情報学部長システム情報学研究科長臼井 英之 神戸大学大学院システム情報学研究科は、2010年4月に創設され、以来、大規模・複雑なシステムの解析・設計・運用のための方法論、情報の高次処理・利用に関する論理と技術、高性能計算の基礎と自然現象理解への応用などに関する教育と研究を実践してきました。2023年4月には、これまでのシステム科学専攻、情報科学専攻、計算科学専攻を「システム情報学専攻」に統合しました。新たなシステム情報学専攻では、これまでの3専攻において進めていた専門性の高い教育研究活動を維持しつつ、新しく「異世代異分野共創C³ユニット(Co-Creation and Collaboration Unit)教育プログラム」を展開し、専門分野の垣根を超え、大局的・俯瞰的な視点から新たな価値の創出に寄与できる人材の養成を目指します。 また神戸大学は、文部科学省「令和5年度 大学・高専機能強化支援事業(高度情報専門人材の確保に向けた機能強化に係る支援)」ハイレベル枠に選定されました。これに伴い、2025年4月に工学部情報知能工学科を「システム情報学部」へとパワーアップさせます。入学定員は工学部情報知能工学科時の107名から150名に大幅に拡充するとともにその1割を女性枠とし、多様性の中から生まれる視点をシステム情報学の教育研究に積極的に導入します。「反転教養教育」の実施、優秀な学生を対象とする「早期卒業・学位取得」枠の設定、およびC³ユニット教育プログラムの学部展開により、AI、データサイエンス、スーパーコンピュータ、システム科学などのSystem Informatics(システム情報学)に関する専門的な知識・技術を究めるだけなく、それらを俯瞰的に組み合わせて、社会の様々な問題解決や新しい価値の創造に貢献できる能力を身につけ、専門知を総合知につなげる力を生かして活躍の場を自ら切り開くことができる高度情報専門人材を育成して行きます。 学部の新設と並行してシステム情報学研究科の大学院入学定員も段階的に増やし、学部と大学院を一体的に運用する「システム情報学カレッジ (CSI: College of System Informatics)」を構築します。2024年にCSI高度情報専門人材育成推進センターを設置し、CSI構想に係る3つのミッションを主導的に推進します。 システム情報学部およびシステム情報学研究科は、科学技術・イノベーション基本計画において謳われている「我が国が目指す人間中心の豊かな未来社会」であるSociety5.0の真の実現に向けた教育研究の中核を担う組織として、今後、一層重要な役割を果たすと考えています。多くの学生諸君が、神戸大学システム情報学部およびシステム情報学研究科に集い、魅力的な未来社会の創造に向けて、意欲的に取り組んでもらうことを心より願っています。さあ皆さん、システム情報学で共に時代と未来を切り拓きましょう。システム情報学を志す諸君へ
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