神戸大学大学院 国際協力研究科 2026
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極域協力研究センター (PCRC) を通じた国際法教育研究Research-oriented education through Polar Cooperation Research Centre (PCRC)11このパンフレットを手に取る皆さんにとって極域、すなわち地球の南極と北極とはどういう場所でしょうか?氷と雪で覆われて、寒くて、コウテイペンギンや白クマといった珍しい野生動物がイキイキと生息している場所。その通りです。それでは、極域は平和ですか、自然環境は守られていますか、資源を巡って紛争は起きていませんか、つまり極域に国際協力は達成されていますか、という問いにしたらいかがでしょうか。こうした問いにガバナンス的視点から応えることを目的に2015年に本研究科内に設置されたのがPCRCです。ロゴの中に白クマが描かれているのは、当初このセンターが、文部科学省の北極域研究プロジェクトを実施するために創設されたためです。センター長の柴田明穂教授は、長年にわたって南極条約研究をしており、2016年11月から2017年3月まで南極地域観測隊に同行して、日本で初めて国際法学者として南極の地に立った研究者です。PCRCにおける10年間の北極国際法研究が一段落し、2025年度からは学術振興会 (JSPS) 先端研究拠点形成事業に「地球益実現に向けた南極ガバナンス研究」というテーマで採択されましたので、今後は南極ガバナンス研究を中心に展開していく計画です。PCRCにおける極域国際法研究は、GSICSでの教育にも活かされています。2022年より日本の大学院教育では初めて「国際極域法」という科目を設置しています。柴田教授が関連国際学会に出席する際には、GSICS院生も海外実習として、多くの場合旅費補助付きで同行することができます。極域研究らしく2022年アイスランド、2024年フィンランドとスウェーデン、2025年オーストラリアのタスマニアへの海外実習に学生が参加しています。皆さんも極域の国際協力について学んでみませんか?アイスランド·アクレイリ大学(GSICS交流協定校)の近郊、ゴーザフォス滝にて フィンランドで開催された南極条約協議国会議にてGSICSから世界が見える様々な活動Activities Linking GSICS with the WorldDistinct Education Projects特色ある教育プロジェクト

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