神戸大学 法学部案内 2026
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幡野弘樹 教授松村尚子 教授 神戸大学法学部では、法学と政治学を学ぶことができます。法学には、現代の日本の法(憲法・民法・刑法・商法・民事訴訟法・刑事訴訟法の「六法」など)を基に、紛争の合理的解決を学ぶ「実定法学」、国際条約や異なる国の個人や企業の間の法的問題を学ぶ「国際法学」、法を社会学・哲学・歴史学などの手法を用いて考える「基礎法学」が主に含まれます。政治学には、国や地方での意思決定の仕組みや動態について学ぶ「政治過程論」、グローバルな課題や国際的な問題に取り組む政治について学ぶ「国際関係論」、望ましい公共の利益とは何かについて考える「政治理論」、現状を生み出してきた過去の実態を探る「政治史」などが含まれます。 皆さんの家で飼うチワワが、お隣のお家で飼うテリアに噛まれてしまったとします。皆さんはペットの病院に支払った治療費をお隣さんに負担して欲しいと思うことでしょう。実は、法の世界では、チワワもテリアも「物」になります。つまり、法の世界では、犬をはじめとする動物は権利を持ったり義務を負ったりできる「主体」になることはできません。そのため、チワワの「飼い主」がテリアの「飼い主」に損害賠償請求をすることになります。 犬を「物」扱いするなんておかしいと思う方もいると思います。「法は人のために存在するとしても、動物にもしかるべき扱いをすべきだ」、そのような考え方の変化もあり、フランスでは 2015 年に「物」に関するルールの冒頭に「動物は感受性のある生き物である。動物を保護する諸法律の留保の下で、動物は物に関する制度に服する」(民法 515-14 条)という規定が入れられました。 法は、人々が安心して生活をしたり、取引活動を行ったりするためのルールであり、長年の知恵がそこには詰まっています。もっとも、時代により人々の考えが変わるとともに、法も変化していきます。動物に対する考えの変化が、先ほどのフランスの条文に反映されているのです。 こんな生き生きとした法の世界の楽しさを皆さんにもぜひ味わっていただきたいと思っています。 世界は今、様々な問題に直面していますが、それらに対処していくためには、多様な人々や集団の価値観や利害をを調整し、望ましい解決策を生み出していくことが求められます。 解決策を考えるためには、望ましい公共の利益とは何か(政治理論)、地方・国単位の意思決定はどの様に行われているのか(行政学・政治過程論)、国家間の協力を可能にする条件は何か(国際関係論)、過去にどの様な外交が行われてきたのか(外交史)などについて知ることが不可欠です。 私たちは授業や研究を通して、国内の格差を解消するのがなぜ難しいのかという問いから、地方自治や選挙制度のあり方、外交や国際機関の役割、そして人間の安全保障というテーマにいたるまで、現代社会の重大な問題を扱っています。 同時に、問題の実態を把握したり、そのメカニズムを明らかにするには、文献や外交資料、事例やデータを精緻に分析してエビデンスに基づく議論をすることが大切です。私たちは、実験手法やビッグデータの活用などの新しいツールも積極的に取り入れています。 現実を批判的に見つめ、創造的にものを考え、対外的に発信する人材を輩出することが教育目標です。22法学を学ぶ政治学を学ぶ神戸大学法学部で学ぶ

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