5276研究内容小惑星イトカワの表面(スケールは 30m)(Nakamura et al., 2008)石、あるいは塵の物理的性質の解明を通じて、太陽系始原天体の起源と進化の過程を明らかにしようとしています。担当教員:大林政行、宮崎 聡、濱田洋平 地球を含めた惑星形成を理解するためには、宇宙そのものの成り立ちや進化を理解し、銀河がどの時代にどこに分布していたかを知ることが重要です。また、地球の形成進化を明らかにするためには、地球内部の構造とその変動の理解が不可欠です。私達の分野では、観測的宇宙論と海洋観測に基づいて、宇宙の成り立ちと地球の変動史を解明することを目的としています。具体的には、すばる望遠鏡を用いた銀河の観測と海洋底地震計などを用いた海底観測のデータ、さらに地球深部探査船「ちきゅう」のコア試料を分析・解析することにより、宇宙の進化史、惑星構成物質の起源・進化とその分布、現在の地球内部の物質循環や熱循環、地球史を通じたグローバル表層環境変動と鉱床の成因を明らかにし、惑星地球の誕生から現在に至るまでの変動・進化史の解明を目指しています。担当教員:川畑拓矢、吉田 智 集中豪雨や竜巻などによる災害が増加し、また地球温暖化が進行するなかで、大気中の様々な現象を対象とする気象学には、さらなる発展が求められています。私達は連携機関である気象庁気象研究所の大型計算機や実験・観測施設を活用して、社会にも重要な意義を持ち、様々な発展の可能性を持つ気象学の研究を推進しています。担当教員:島 伸和、杉岡裕⼦、廣瀬 仁、南 拓⼈ 地球の表面は、大陸と海洋でおおわれています。その海洋底では、固体地球内部の大循環を担う海洋リソスフェアが作られ、さまざまな現象を引き起こしています。私たちは、地球物理学的な観測事実にもとづいて、海洋底から固体地球のダイナミクスを理解することを目的とし、惑星地球を特徴づけている海洋リソスフェアの活動(形成、変遷、沈み込み)を中心に研究しています。そのために、観測機器の開発、研究観測船などを利用した観測、解析手法の開発、データ解析を一貫して行っています。担当教員:牧野淳⼀郎、斎藤貴之 「我々の住むこの地球はどうやって生まれたのか」という問題は、古代から人類にとって根源的な謎のひとつでした。「計算惑星学」研究分野では、天体の形成・進化(宇宙の大規模構造から銀河形成、星団の形成進化、惑星形成、固体惑星の進化)と地球のテクトニクス(地球の地殻の変形、岩石の破壊現象)について、理論と計算機を用いたシミュレーションから定量的に明らかにしようとしています。そのために富岳などのスーパーコンピュータ で ⾼ 速 な シ ミ ュ レ ー シ ョ ンを実現するための計算アルゴリズムの研究やソフトウェアの開発、計算機⾃体の開発も研究の一環として行なっています。担当教員:中村昭⼦ 太陽系に存在するさまざまな天体のもととなった「微惑星」は、原始太陽系円盤内にあった微小な塵が集まって形成されたと考えられています。しかし、その微惑星がどのようにして形成されたのかには、謎が多く残されています。始原天体科学教育研究分野では、微惑星の情報を保持していると考えられる小惑星や彗星などの太陽系始原天体、それらの破片である隕 惑星学科卒業生の約 6 割は大学院博士前期(修士)課程へ進み、勉学と研究を続けます。神戸大学大学院理学研究科惑星学専攻への進学が最も多く、他大学の大学院へ進学する人も最近増えています。就職する人は、公務員や教員、システムエンジニア、金融関係などさまざまです。前期(修士)課程修了後は、1 〜 2割が博士後期課程に進学します。就職先は公共機関や IT 関連企業などさまざまです。博士課程修了後は、各種教育研究機関のポスドクになる人が多いですが、民間企業に就職する人もいます。惑星地球変動史連携講座 (大学院教育)観測データから惑星地球変動をさぐる国立天文台・海洋研究開発機構応用惑星学連携講座地球大気の実験的・理論的研究気象庁気象研究所 (大学院教育)観測海洋底科学:観測で地球のダイナミクスを探る計算惑星学:「惑星・地球の作り方」を計算機でシミュレートする始原天体科学:小天体の物理的性質を探る卒業・修了後の進路本学大学院 13民間企業 35教員・公務員 その他 本学大学院 62他大学大学院 12民間企業 22教員・公務員 その他 大学院博士課程前期課程(修士)修了生の進路(2022~2024年度)学部卒業生の進路(2022~2024年度)
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