附属病院長挨拶附属病院長黒田 良祐医学研究科長・医学部長155年を経た現在でも「地域に根差した国際的先進医療の実践」という開院当時の理念が脈々と受け継がれげ、地域医療構想における高度急性期病院として、また国の指定による特定機能病院としての役割を果たして神戸大学医学部附属病院は明治2年(1869年)に開院した「神戸病院」に始まり、そして神戸大学医学部附属病院となり、現在に至っています。開設に際しては、開港して間もない神戸において諸外国に引けをとらない医療を広く提供するため、初代兵庫県知事であった伊藤博文らの呼びかけによって地元の方々から寄付が集められ、神戸らしい洋館の病院が建築され、アメリカ人医師ヴェッダーが初代院長として招かれました。創立て発展を続けています。当院は、“①患者中心の医療の実践、②人間性豊かな医療人の育成、③先進医療の開発と推進、④地域医療連携の強化、⑤災害救急医療の拠点活動、⑥医療を通じての国際貢献”を基本理念に掲います。さらに臨床研究中核病院として質の高い国際水準の臨床研究や医師主導治験の中心的役割を担う病院として位置付けられています。神戸大学医学部附属病院は国際的に貢献できる優秀な医療人と研究者を育成できるよう、また皆さんが将来にわたって信頼しあえる幅広い医療人の輪を構築できるよう、教育環境の更なる整備を進めています。意欲に溢れる皆さんと診療をともにする日を心待ちにしています。しています。さらに、神戸大学医学部附属病院は2021年4月に“臨床研究中核病院” に認定されました。今後なお一層、基礎臨リッド型授業” や“ブレンド型授業” を構築・整備し、より安心・いての見識を高めることができます。医学部4年生は臨床実習に参加するために共用試験(CBT, OSCE)に合格する必要がありますが、2023年度から共用試験が公的化されました。神戸大学医学部では医学教育のさらなる質の向上を目指して、附属医学教育推進センターを設置し、教育体制の充実化に尽力床融合教育が活性化され、Physician-Scientistsの育成が加速されるものと期待しています。新型コロナウイルスのパンデミック、新型コロナウイルス災禍は大きな社会変容をきたし、医学・医療および医学教育において大きな変化がもとめられました。ウィズ・ポストコロナ時代において、医学教育・研究のリモート化・デジタル化は喫緊の課題でしたが、本学部医学科では積極的に整備してきました。文部科学省「デジタルを活用した大学・高専教育高度化プラン」が採択され、本学部医学科ではデジタル技術の導入による“ハイブ安全な教育体制をとっております。新型コロナウイルス災禍により学生はじめ多くの方々が、心身に大きなストレスを受けました。本学部医学科では、チューター制度を設け、学生の心のケアにも十分配慮し、学修者本位の教育や学びの質の向上を目指しています。新型コロナウイルスが感染症法5類に移行したことで従来の自由な大学生活が戻ってきました。2023年6月には楠キャンパスに7階建ての新福利厚生棟(Medical C3 Commons)が完成し、2024年4月にはラーニング・コモンズも新設されました。これからも、高い意欲を持った学生が多数入学し、切磋琢磨してくれることを心待ちにしています。13村上 卓道
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