神戸大学は、国際都市神戸に基盤を有する総合大学で、世界各地に研究拠点を持っています。その起源は官立神戸高等商業学校に遡り、2022年(令和4年)に創立120周年を迎えました。伝統的に「学理と実際の調和」をその建学精神としてきました。その中で医学部保健学科は1994年(平成6年)に設置された比較的新しい学科ですが、神戸大学の建学精神が脈々と受け継がれています。入学後最初の1年間は六甲台キャンパスで高校とは違った大学の規模の大きさと自由で高い教育レベルを感じ取っていただければと思います。2年次からは、名谷キャンパスで本格的に専門教育が始まります。 医学部保健学科は、看護学、検査技術科学、理学療法学、作業療法学の4専攻で構成されています。これまでに多くの優れた看護師、助産師、保健師、臨床検査技師、理学療法士、作業療法士を医療の第一線に送り出してきました。神戸大学で学ぶ皆さんには、国家資格取得のためそれぞれの専攻の専門科目を学修するのはもちろんのこと、「健康科学」について、広く専門的な知識を身につけていただきたいと思っています。そして、高いレベルの専門性を身につけたプロフェッショナルとして医療界で活躍していただきたいと期待しています。実際に、本学科の卒業生は、国家資格を取得し、医療専門職に就くだけでなく、行政機関、教育機関、研究機関、国際保健機関や健康科学に関連した企業に就職する学生が多い事も特徴です。神戸大学医学部保健学科長 石 田 達 郎 保健学科における教育の特徴としては、 (1)他の大学に先駆けて、多くの医療職種と協働してチーム医療を行っていくための多職種間協働教育(IPE: Interprofessional Education)を と り い れ 、 卒 業 後 の 多 職 種 間 協 働 実 践(IPW: Interprofessional Work)まで継続してきた歴史があります。 (2)高度な専門知識と幅広い学識を持つ医療の専門人材を育成しています。看護学専攻では、助産師・保健師教育を大学院に移行し、学部の間は看護学の基礎から応用までの知識をしっかりと身につける期間としました。(3)4年次の卒業研究は、十分な時間をかけて、レベルの高い研究に触れるとともに、将来の多様な進路の礎となるような研究ができるよう指導しています。 学部学生の間は、多くの授業・実習がありますが、知識・学識が増えるにつれ、さらに広く深く学びたいという学生の大学院進学者数が増加しています。大学院保健学研究科には、博士前期課程(修士)(学年定員79名)、博士後期課程(博士)(学年定員25名)があります。大学院では、看護学、病態解析学(検査技術科学)、リハビリテーション科学(理学・作業療法学)の基幹領域に加え、融合領域としてパブリックヘルス領域があります。皆さんには、世界に開かれた総合大学である神戸大学の利点を生かし、主体的に様々な分野の幅広い知識を習得し、また多くの出会いと交流を経験して、人間的に大きく成長されることを期待しています。現代社会は、新型コロナウィルス等の感染症蔓延や気候変動、さらに生成AI等の技術革新により急速に変化しており、既存の価値観や知識だけでは新たに生じた課題に対応できません。そこで、保健学研究科は2026(令和8)年度から医学研究科と統合され、「医学系研究科」として生まれ変わる予定です(詳細はホームページをご参照ください)。 皆さんには前途洋々たる未来が開けています。神戸大学医学部保健学科で学んで成長し、アフターコロナの新しい時代を切り拓いて頂く人材として国内外で活躍して頂くことを教員一同願っております。22025 学科紹介学科長メッセージ
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