IPW (Interprofessional Work) とは複数の専門職者がそれぞれの技術と役割を活かして共通の目標を目指す協働のことです。現代社会において多様化・複雑化した保健医療福祉の課題とニーズに応え、安心・安全で質の高いサービスを実践するためには、多職種の協働が極めて重要であり、一般の臨床現場でも必須です。神戸大学医学部保健学科では、神戸大学医学部医学科、神戸薬科大学と連携し、1年次から4年次まで、体系的かつ有機的にIPWを習得できるカリキュラムを備えています。1年次の初期体験実習、4年次のIPW統合演習では、医師、看護師、臨床検査技師、理学療法士、作業療法士、薬剤師を目指す学生のそれぞれが相互理解し、相互作用しながら、多職種の視点から患者・対象者を捉え、最良のケアを提供することを合同で学びます。学生はチームメンバーとして互いに尊重し、理解し、情報交換する過程を通して保健医療福祉の将来を担うIPW実践者の素養を身につけます。 解剖学は看護学や検査技術科学、理学・作業療法学の基礎となる重要な科目の1つです。神戸大学医学部保健学科では、1年次後期から始まる解剖学の講義を通して身体の構造や機能を学んだ後、2年次後期に4専攻全ての学生を対象にして解剖学見学実習を行っています。理学療法学専攻は、3年次後期に2度目の解剖学見学実習が行われます。両実習では、遺族の了解のもと、実際の解剖学について、厳しくそして深く学びます。この実習では体内にある臓器の形や大きさ、臓器相互の位置関係などを直視下で観察して、講義で学んだことを3次元的に深く理解するとともに、人体に個体差があることを理解します。さらに解剖学見学実習を通して生命の尊厳についても学んでいきます。この実習を通して学生達は医療職者を目指すことについて深く考え、自覚を強く持つようになります。Faculty of Health Sciences2025 学科紹介 5IPW解剖学見学実習
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