現在、工学研究科内には産学連携と新学術領域の創出を見据えた7つの工学研究科附属研究センターが設置されています。世界的に先導的な役割を果たすため、様々な研究分野の活躍が期待されています。機械工学、化学工学、電気工学、電子工学、光工学、生物工学、医療工学などの多くの工学分野において、数10 nm〜数μmスケールの微細構造を自在に形成することは、最先端の研究を推進するうえで不可欠です。神戸大学において微細構造を用いた研究を促進し、新たな価値を創出する基盤技術を強化することを目的に、「地域中核・特色ある研究大学強化促進事業(J-PEAKS)」の支援により、2024年10月に微細加工プロセス技術センターを設置しました。本センターは、先端膜工学研究拠点2階のクリーンルームを拠点とし、専任の技術員が常駐します。それにより、微細加工が専門でない教員・学生が微細加工プロセスに気軽にアクセスすることを可能にします。設置予定の装置は、電子ビーム描画装置、シリコン深堀リアクティブイオンエッチング装置、マスクレス露光装置、電子ビーム蒸着装置、スパッタリング装置であり、2026年3 月までに全装置が稼働する予定です。官学連携の芽を築くことが期待できます。したがって、本センターが界面機能の創出をものづくりに繋げる連携を推進するための新たなる拠点となり、基盤研究から発信されたシーズの「ものづくり」への展開が円滑になることを期待しています。本センターに関連したプロジェクト・外部資金として、科学研究費補助金、内閣府・戦略的イノベーション創造プログラムSIP、新エネルギ・産業技術総合開発機構NEDO、JST・未来社会創造事業、参画研究者の民間との各種共同研究などを推進しており、過去三年間で4億円以上の外部資金を獲得しています。昨今のナノテクノロジーやバイオテクノロジーにおける取り扱いを見るまでもなく、材料の機能は外界と接する界面での現象に支配されています。したがって、界面を基盤としたʻものづくりʼの戦略が必要不可欠となります。 当センターでは、「界面」をキーワードに教育・研究分野の横断的な研究ユニットを形成することで、界面現象に関わる基盤研究を推進し、次世代のものづくりに繋がる研究シーズの創出をめざしたいと考えています。この際、従来型の応用化学、機械工学、電気電子といった専攻や分野縦割り的な枠組みをあらたな座標軸からの視点で見直すことで新学術領域を創出し、既存の組織からは出てくることのない斬新な産GraduateSchoolofEngineering/FacultyofEngineering,KOBEUNIVERSITY微細加工プロセス技術センター(Nanofabrication Process Technology Center)界面科学研究センター(Research Center for Interface Science)工学研究科附属研究センター
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