マンガとか、ゲームとか、もともと結構好きなんだけど、勉強とはつながらないのかなって、前は思っていた。だけどある時、人間が動物や超人に変身する話って多いな、と気付いて、「〈変身〉って、どこから始まったんだろう?」と、ふと考えた。そういえば現代文の教科書で読んだ、中島敦の『山月記』。人間がトラになる話だけど、昔の中国の説話集が元になっているんだっけ。考えてみれば日本の昔話だってそう、変身の話はいっぱいある。そこで、大学で古文をきちんとやって『今昔物語集』を読もう、と思った。今、そんなこんなを、いろんな学科の学生たちと話していると、ドイツ語を学んでいる友人は「カフカの『変身』読みなよ」と勧めてくるし、古代ギリシア文化に詳しい先輩は、ギリシア神話の変身譚を教えてくれる。古今東西、不思議な物語を想像せずにいられないのが、人間というものなのかな。史料:上下とも國學院大學図書館所蔵人間の想像する力。人間のの、想像すする力。036
元のページ ../index.html#38