中国文学科 授業紹介(令和2年度参考)中国民俗文化特殊講義Aこの講義では、台湾でのフィールドワークに基づいて、地域の平安を神に祈る道教儀礼(祈安儀礼)や死者を供養するための道教儀礼について考えていきます。台湾のムラやマチでは、しばしば廟の祭りや死者供養の儀礼が営まれていますが、それらは道教の儀礼で行われることもあれば、仏教の儀礼で行われることもあります。そうした道教の儀礼や仏教の儀礼もただそれだけで成り立っているのではなく、そこには儒教的な要素や民間信仰的な要素が複雑に絡んでいます。複雑な様相の中で、道教の儀礼がなぜ人々に必要とされているのか、道教の儀礼は人々の信仰においてどのような役割を果たしているのかを捉え、さらにそこから漢族の民俗文化を探っていきます。中国文学概説中国のさまざまな時代の詩文を通して中国文学の特質を理解します。いわば中国文学のメニューが示される講座です。辞書を頼りに作品を読み解き、中国文学に内在する普遍性に迫ります。[教員免許][各種資格]中学校教諭一種免許/国語 英語* 社会*高等学校教諭一種免許/国語 書道* 英語* 地理歴史* 公民*学芸員 図書館司書 学校図書館司書教諭 神職(明階検定合格正階授与)※図書館司書課程については、選抜試験(例年11月ごろ実施)を行います。学校図書館司書教諭課程は面接選考となり、教職課程も併せて履修する必要があります。※神職(正階)資格取得後、明階の授与を受けるには、卒業後に実務経験が必要です。※*印の免許は、国語の免許を取得するための課程履修を条件として取得可能です。※それぞれの課程についてはP.138~141を参照してください。 取得できる免許・資格中国語演習I1年次前期に習得した中国語文法の基礎内容を再確認するとともに、簡単な文章を読むことで、第一段階の読解力の養成を目指す演習です。テキストの朗読も行い、発音の間違いを随時指導します。使用する教科書は、現代中国の生活を題材に取った内容です。 卒業論文テーマ例・『詩經』における「憂」の諸相 -小雅「無將大車」篇を起点に-・司馬遷の因果応報観に関する一考察・曹植の詩における悲哀についての考察・『金鎖記』から見る親と子の関係について・近三百年の中国語口語の変化について 『唐話纂要』を中心に・ウイグル族の生活文化と恋愛-男女の価値観の相違を中心に-他 演習科目ピックアップ(令和2年度参考)『楚辞(そじ)』とは、今から2,300年前の中国・楚の国で編まれた詩集。この演習では、教員と学生が本文を挟んで向き合い、宋の時代の哲学者・朱熹が註釈したものを参考に、学生自身の解釈を何度も問いながら進んでいきます。一度の演習で何度も指名されるので、考える材料を準備するために図書館に通い、情報を収集するのが学生の日常。中には、自主的にグループを組み、討論を済ませてから出席する学生もいます。それだけの魅力が『楚辞』にはあるのです。科学者が数字の羅列にしか見えないデータからその意味を読み取るように、私たち文学者は、普通に見れば「悲しい」と解釈される表現の中に、「絶望」「希望」時には「喜び」をも見いだします。古典は、現代語訳して終わりではありません。徹底的に表現にこだわり、その中に“ひと”を見いだすこと。調べた中から選ぶのではなく、自ら考えて答えを生み出すこと。それが文学研究のポイントです。楚辞演習 石本 道明 教授 悲しみの表現の中に、希望や喜びをも見いだす。前期導入・憤怒と絶望の中で 投身自殺した作者・ 屈原の生涯をたどる本題・一語一語を確認しながら 解釈を積み重ねる045
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