先輩に聞く 学科の学びと将来史学科 4年[取材時]湯澤 友章さいたま市立浦和南高等学校卒業台東区役所 内定自分の手で歴史像を築き、正しさを見極める力を得る。史学科入学定員 190人 メインキャンパス 渋谷学生数 男子569人 : 女子353人(1~4年次合計/令和元年5月現在)きっかけは、幼少期に家族が話してくれたわが家の昔話でした。別世界のような遠い過去と自分自身とのつながりに魅せられてからは、「歴史を知りたい」という思いがますます強まり、志望校選択の際は迷わず史学科を選びました。この学科の特長は、実践的な学びの機会が豊富にあること。國學院大學に蓄積された史資料に触れられるのはもちろんのこと、江戸時代の古地図に記された場所に足を運び、現地でその変遷をさかのぼったりと、五感を駆使する授業が数多くあり、とても刺激的な学びの日々を送ることができました。文字情報を暗記するのではなく、実感を伴いながら歴史に迫っていくからこそ、文献の通説を疑い、自分の手で新たな歴史像を築いていく情熱も途絶えなかったのだと思います。代表的な偉業ゆえに決まり切った印象がある歴史上の人物を、多様な側面から捉え直す授業です。例えば「残虐な悪人として名高い人物が、人道的な事業にも注力していた」など、高校までの学習では扱わない内容も多くあり、歴史への興味がより一層かき立てられたことを覚えています。複眼的な思考で過去を読み解いていく、大学の歴史研究の面白さを教わりました。記憶に残る授業「日本史概論Ⅰ」公務員への志が固まったのは、3年次の夏に埼玉県庁でのインターンシップ(就業体験)に参加した時です。職員の方々が地域のために奔走する姿に感銘を受け、「行政で地域に密着した仕事をしたい」と決意しました。幅広い業務の中でも、歴史ある街並みを持ち、国内外から多くの人が訪れる台東区の魅力をさらに発信していく観光政策に携わりたいと思っています。学びと就職活動夢中で史実を追いかけながら身に付けた、論理の筋道や根拠まで見定めて情報を取捨選択する力は、現代社会に溢れるフェイクニュースに惑わされないためにも必要不可欠です。歴史とともに学んだ先人たちの知識や反省もヒントにしながら、次は自治体に山積するさまざまな課題の解決方法を見いだすことを目指していきます。フィールドワークで使用した古地図050
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