私は一般家庭の出身ですが、地域の行事などで神職が見せる「日本の歴史・文化を象徴する姿」に憧れ、神に奉仕する将来を思い描くようになりました。とはいえ、装束、祭式、祝詞など、神職になるための学びは初めて触れることばかり。事細かに決められた作法に戸惑うこともありましたが、何度も実践を重ねるうちに、意識せずとも自然に身体が動くようになっていきました。複数の神社で経験した実習の中でも忘れ難いのは、4年次の伊勢神宮で行った夜間参拝です。月明かりと静寂だけの暗闇に包まれて瞑想したとき、心に溢れたのは、伝統を現在まで脈々と受け継いできた祖先、今の自分を支える家族や友人、そしてその一貫した繋がりを見守ってくださる神々への感謝の念。奉仕の道を歩現代社会の実状を踏まえた上で、学生同士で話し合いながら神道をさらに広める方法を模索していく授業です。神社を維持していくためには、地域の多くの人に受け入れられることが必要不可欠です。「SNSを活用して、まずは足を運んでもらうきっかけをつくる」などの、時代に合った教化の在り方を柔軟に取り入れる姿勢は、これからの神職に求められるものだと思います。記憶に残る授業「神道教化概論」奉職の求人情報はすべて神道研修事務課を通して収集。神社界の慣例で、神社は複数社同時には応募できず、さらに結果を待つ期間も長かったため、将来への不安が募った時期もありました。しかし、「絶対に慣れ親しんだ久伊豆神社で奉職するしかない」と気持ちを切り替えてからは、再び前向きに選考に臨めるようになり、無事、内定をつかみ取ることができました。学びと就職活動む志が固まった瞬間でした。奉職先は、幼い頃から家族で日常的に参拝してきた神社です。自分が抱く信仰心の原点となった場所で、参拝される方に神の意志を伝える神職の使命を全うするべく、これからも多くの知識を吸収していきたいと思います。合唱サークルの最後の定期演奏会 先輩に聞く 学科の学びと将来入学定員 フレックスAコース60人/フレックスBコース120人 メインキャンパス 渋谷学生数 男子548人 : 女子270人(1~4年次合計/令和元年5月現在)神道文化学科神道文化学科 4年[取材時]木村 真之私立京華高等学校卒業久伊豆神社 内定日常の中で芽生えた憧れから実践を重ね、奉仕の道へ。062
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