國學院大學 入試情報ガイドブック 2022
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古代ギリシアとペルシャとの間でおこなわれた戦争についての次の文章を読んで、以下の問に答えなさい。 ノモス(法)の権威の下に団結し、「自由」を唱える誇り高い市民団からなるギリシアのポリス群は、大帝国や大規模な専制政治からなる周 次の英文は、The Japan Times社のインターネット上の英語ニュースオピニオンサイト『Japan Forward』に2017年9月28日に掲載された記事Colin P.A. Jones, “Appreciating Japan’s Koseki System”の一部に基づく文章である。この文章を読み、後の問1~問5に答えなさい。(本文は著作権の関係で省略)問1 下線部(1)について、アメリカ人にとってなにが自然だと考えられ   ているのか、およびそれを自然だと考える背景について著者がどの   ように説明しているかを日本語で説明しなさい。問2 下線部(2)が「典型例」として挙げられている理由を日本語で答え   なさい。問3 下線部(3)を日本語に訳しなさい。問4 下線部(4)は、どのような権利を有し、義務を負うか日本語で答   えなさい。問5 下線部(5)について、著者がどのように日本社会が変化したと述   べているかを本文に即して日本語で説明しなさい。 令和3年度は、新型コロナウイルス感染症拡大の情勢等を鑑み、第1次選考の教養科目試験を事前レポート提出に変更(内容・形式は公募制自己推薦(AO型)課題レポート+面接型に準ずる)。第2次選考 日本語小論文問 次の文章を読み、筆者が、現実の複雑な問題に対処する上で大事だと述べていることについて、説明しなさい。その際、あなたの考える具体的な例を挙げて論述すること。ただし、次の条件を守ること。一、 三段落ないし四段落にすること。二、 文章は「~である。」「~だ。」調で統一すること。三、 字数は九〇〇字以上、一〇〇〇字以内にすること。 社会の複雑な現実を前にしてわたしたちが働かせるべき頭というのは、すぐにはわからないけれども大事なこと、それを見いだし、そしてそのことに、わからないまま正確に対処するということだ。 三つのまったく異なる場面を例にとって考えてみよう。 まず、政治的な思考について。政治的な判断はきわめて流動的で不確定な状況のなかでなされる。外交政策であれば、それぞれの思惑を測り、いくつかの可能性を想定して、それぞれに手を打つ。しかし、そうした対処じたいが関係国の思惑を刺激し、事態はいっそう複雑になってくる。国内政策であれば、さしあたって不可欠の政策AとBがあるとして――たとえば景気刺激と構造改革という、相反する政策――、いずれを先にするかでAとBのそれぞれの政策としての実効性は大きく変じる。政策が置かれる状況じたいが大きく変化してしまうからである。だからAに先に手をつけるのか、Bを先に実行するのか、それを手遅れになることなく決定しなければならない。けれどもいずれが有効か、だれも見通せているわけではない。見通せないけれども決断しなければならないのだ。つまり、結果がわからないまま、わからないことに正確に対応するということ、それが政治的思考には求められるのだ。 次に、ケアの思考について。病院で、ある患者がひじょうに深刻な病に陥ったとき、そしてどういう治療と看護の方針をとるかというときに、考えは立場によって大きく異なる。医師の立場、看護師の立場、病院のスタッフの立場、患者の家族の立場、そして何より患者本人の思いと、さまざまな思いや考えが錯綜する。そのうちだれかの意見をとれば、別のだれかが納得しない。つまりここには正解はない。一個の正解がないままスタッフたちは、猶予もなしに治療と看護の方針を決めなければならない。 最後に、アートの思考について。たとえば、制作中の画家には、自分が表現しようと思っているものが何かよくわからない。描きたい、表現したいという衝迫だけは明確にあるが、描きたいそれが何であるかは自分でも摑めていない。けれども、ここはこの色でなくてはならない、あそこはこういう線でなければならないという必然性は感じている。だから画面のある一色だけを別の色に置き換えれば全体が台無しになってしまう。これしかありえないという必然性を追うなかで絵はやっと描き終わる。しかしその画業の意味を問われても答えようがない。画家の元永定正さんは自分の作品について「これは何ですか?」と問われるといつも「これはこれです」と答えるのだという。そういう意味では、曖昧なものを曖昧なままに正確に表現する、一箇所もゆるがせにしないで、正確に、これしかないという表現へともたらすこと、これが画家の力量である。 このように、政治、ケア、描画のいずれにおいても、いちばん大事なことは、すでにわかっていることで勝負するのではなく、むしろわからないことのうちに重要なことが潜んでいて、そしてそのわからないもの、正解がないものに、わからないまま、正解がないまま、いかに正確に対処するかということなのである。そういう頭の使い方をしなければならないのがわたしたちのリアルな社会であるのに、多くのひとはそれとは反対方向に殺到する。わかりやすい言葉、わかりやすい説明を求める。 だが大事なことは、困難な問題に直面したときに、すぐに結論を出さないで、問題が自分のなかで立体的に見えてくるまでいわば潜水しつづけるということなのだ。それが、知性に肺活量をつけるということだ。目の前にある二者択一、あるいは二項対立にさらされつづけること、対立を前にして考え込み、考えに考えてやがてその外へ出ること、それが思考の原型なのに、そうした対立をあらかじめ削除しておく、均しておくというのが、現代、ひとびとの思考の趨勢であるように思われてならない。(鷲田清一氏の文章に基づく)令和3年度 外国人留学生つかもとながさだまさあいまいならすうせいさくそう過去問題 学士入学・一般編入学/外国人留学生35

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