國學院大學 入学案内 2022
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國學院大學が学びの柱に据え、大切にしているのは「モノの淵源(えんげん)を問い直す」ことです。私たち一人ひとりに異なるルーツがあるように、国や社会、地域にもそれぞれの成り立ちがあり、歴史があり、現在があります。今、自分が生きていること、その始まりを素朴に振り返ることは、生命の在り方やその始まりを考えることにつながるのです。自らが属する国や社会について振り返ることは、その歴史、文化を学ぶことにほかならず、そこから今あるべき姿を問い直すことで、未来の新たなあり方を模索する力が養われるのです。2020年暮れには小惑星探査機のはやぶさ2が、小惑星リュウグウからサンプルを採取して地球に帰還しました。壮大なプロジェクトですが、これもまた、生命の始まりや宇宙の始まりを知りたいという人類の根本的な問いとつながっているのだと考えます。世界的な新型コロナウイルス感染症の流行は、人類のこれからの在り方を問う試練なのかもしれません。これまでの当たり前の生活を変えざるを得なくなった状況から、新たな生活様式や価値観が生まれました。大学の学びの在り方についても、教員、学生がそれぞれに目の前に突き付けられた難題を乗り越えるべく、学びを止めない工夫を様々に重ねてきたはずです。リモートの講義も多く開講されました。リモートと対面での講義は、どちらが正しいとかどちらが良いとかいうことではありません。リモートは新たな学びの手段であり、これからどう運用し、活用していくかは、私たちにかかっています。いかなる状況においても根本を問い、学び続ける姿勢こそが、人間力を鍛えることにつながり、より良い生き方を見出す標となるのです。國學院大學は、「伝統と創造の調和」「個性と共生の調和」「地域性と国際性の調和」を建学の精神に基づく「3つの慮(おも)い」として、教育・研究をはじめとする様々な取り組みを行っています。令和4年4月を予定している「観光学部観光まちづくり学科(仮称)」の開設もその一つです。新たな学部では、地域に軸足を置き、地域に対する深いまなざしに基づいて持続可能な地域の実現のために、地域を主体とした観光や交流を考えていきます。そして、まちづくりから観光や交流へ広がる動きを的確に捉え、活力あふれる地域の実現を推進することのできる人材の育成を図ります。地域には豊かな多様性があり、抱える課題も観光まちづくりの主体も多様です。そのため、地域や時代ごとに異なる課題を捉える力、課題解決につながる構想や提案を考える力、多様な人々と協働できる力が求められています。観光学部では、一人ひとりの個性や創造性を養い、これらの力を専門的な講義、少人数教育のゼミナール、そして共同作業による課題解決型学習を行う演習で身に付けることができるカリキュラムを用意しています。学びは大学の4年間だけで終わるものではありません。生涯にわたって、既存の知や価値観を問い直し、自分と他者との関わりについて複眼的な視点で思考し、異なる価値観について主体的に考え続けながら自らの生き方を模索してほしいと願っています。本学での学びは、そのような人間力を磨き続ける大人への第一歩となるはずです。伝統と創造の調和伝統文化を継承し、そこに学び未来に向かって新たな価値を創造してゆきます。個性と共生の調和個性を輝かせると同時に、社会との共生を大切にしてゆきます。地域性と国際性の調和自らの生きる地域に貢献し、国際社会での調和を目指します。國學院大學の三つの慮いおも人文・社会科学系分野を牽引し、指標や目標となるとともに、教育・研究の向上に継続的かつ真に取り組む姿勢そのものも、模範となっている状態。また、そのことを社会に対して標榜している様。標shirube豊かな知(悩む力・考える力・多様性を受け入れ生き抜く力・問い直す力)を身に付け、分別をわきまえた、この社会を動かせる人。自己の人生に責任を持ち、自らが主体的に生き、その自覚と意志を持った人。大人otona【教育目標】… 主体性を持ち、自立した「大人」の育成【将来像】… 人文・社会科学系の「標」となるしるべKOKUGAKUIN UNIV. 019

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