國學院大學 入学案内 2022
35/148

日本文学科の学生が必修で受講する「伝承文学概説Ⅰ・Ⅱ」は、私にとって、学ぶことの本質を教えてくれる授業でした。伝承文学とは文学を伝承性の視点から捉える一つの方法です。元々寺社仏閣や妖怪、オカルトなどに興味があったため、記載文芸や口承文芸にとどまらず、サブカルチャーも含めた広範な文化的背景から文学をとらえ直す点が面白いところでした。日本の民俗文化を理解するためには、まず文字で書き記された文芸としての文学作品や、口頭で語り継がれている文芸としての昔話・伝説・世間話などを読み解き、その背後に存在する民俗文化の特性を学ぶ必要があります。さらに、世界的に類似した文学作品や言い伝えを比較することで、より広い視点で民俗文化を知ることができました。私が履修した授業は学生が自分で調べ、発表する形式のものが多く、1年次からこのような参加型の授業に触れたことで、資料収集・資料作成・発表・質疑応答・討論などの能力を伸ばすことができたと感じています。また、演習授業では、自分の興味・関心をとことん掘り下げて学ぶことができました。正解のないテーマを手探りで調べ、自分自身で考えることこそが、大学での学びの醍醐味だと思います。私は塾講師のアルバイトをする中で、常々「子どもたちにとって本が身近ではなくなってきている」と感じていました。スマートフォンやタブレット端末に慣れ親しんだ小学生にとって、動画やインターネットは身近ですが、紙の本は縁遠い存在になっています。昔から本に親しみ、大学でも多くの本や資料から学んだ私は、「読む力が付かなければ、勉強はもちろん、社会で生きていく力も付かない」と危機感を覚えました。このような思いを胸に、内定先でのインターンに取り組んだことで「子どもたちのために本をもっと身近な存在にしたい」という夢を抱くように。さらに私は、1年次にアニメ作品をもとにしたライブ作品の上映会を自分で主催した経験から、同社のイベント部門などにも非常に興味を持ち、「子どもたちに向けて、さまざまな本に触れることのできるイベントを開催することで夢を実現したい」と考え、より強く内定先を志望するようになりました。入社後は、本が好きな子どもたちを増やせるような新たなイベントづくりを目指して、日々努力を重ねていきたいと考えています。私が学んだ 知の源流伝承文学を読み解くことからその背景に存在する民俗文化を知る仕事を通して子どもたちが本に触れ親しむ機会を創りたい私が紡いだ 新たな知私が学んだ知の源流私が紡いだ新たな知1No.在学生インタビュー文学部 日本文学科 4年[取材時]大須賀 大熙 (埼玉県立熊谷高等学校 卒業)日本出版販売株式会社 内定伝承されてきた物語から日本の民俗の原点を探る。文学部日本文学科KOKUGAKUIN UNIV. 033

元のページ  ../index.html#35

このブックを見る