國學院大學 入学案内 2022
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授業紹介演習科目ピックアップ伝承文学や民俗学は、遠い過去の中だけに存在するわけではありません。「伝承文学演習Ⅱ」は、私たちが生きる“いま・ここ”に伝承文学や民俗を発見する演習です。いつもの街や帰省先、噂話や都市伝説など、身の回りのあらゆるものが研究対象になります。例えばこれまでには、前期に講読した「現代において怪異が起こる場所とは何か」という論文に触発され、自分のアルバイト先の映画館でフィールドワークを行った学生がいました。館内の“出る”と言われている場所についてアルバイト仲間に話を聞き、さらに、心霊スポットを訪れる肝試し客にも聞き取りを行って、私たちの意識下にある怪異について考察した彼の発表は、聞き手のクラスメイトからも高く評価されていました。研究の基本は、現地に足を運び、くまなく目を通して、歩き、お話を聞かせていただくこと。まだ誰も研究に手をつけていないリアルタイムの伝承文学・民俗を、あなたも見つけてみませんか。伝承文学演習Ⅱ 飯倉 義之 准教授日本語について音声・アクセント・文字・語彙・文法・文体・方言にわたって学び、言語現象を考察するための基本的な知識と研究方法を修得します。中学・高校の国語科教員、外国人に対する日本語教員として、また、日本語・日本文化を論ずる上で必須の知識です。書論とは「広く書に関する言説」ということができます。日本・中国の歴代の書論を読み解きながら、書をめぐる古人の思考の諸相を探究していきます。あわせて、関連する作品の鑑賞を通して、読める・読めないだけではない、書の多様な見方について理解を深めます。日本語学概説Ⅰ・Ⅱ書論研究本講義は、専門に分かれる2年次に開講されています。上代文学、中古文学、中世文学、近世文学、近現代文学の5つのジャンルに分かれていますので、自分の進みたいジャンルの講座を選び、受講します。「講読」という科目名が示すように、文学作品を具体的に読み解きながら、研究方法を実践的に修得します。特に作品読解のための着眼点の付け方や読み解いた内容をまとめる方法など、研究の土台を養うことになります。例えば近現代文学ジャンルでは、一作品について自分の〈読み〉をレポートし、その上で構造的な分析の講義を受けます。これを繰り返すことで、主体的な学びの時間となります。得られる知は大きく、文学研究が面白いと思うようになるでしょう。「日本文学史Ⅱ」は、近世(江戸)から近現代文学の歴史を講じる内容の授業で、上代から中世の文学を扱う「日本文学史Ⅰ」と対になった科目です。文学ジャンルや作者名、作品名を覚える授業では決してなく、歴史的展開の中にそれらを位置付けることで個々の作者・作品と文学史とのつながりを理解し、その時々の政治や社会、文化と密接に関わりをもって作られていくものだという認識を学び育むものとしています。基本的には講義形式ですが、テーマごとに重要な作品のテキストをしっかりと確認し、読み込むことも行います。大きく把握し、細かく確認していく授業にしています。日本文学講読Ⅰ・Ⅱ日本文学史Ⅱ“いま・ここ”にある、伝承文学や民俗を発見。前期通年・教員が指定した論文を読み込み、順に発表・論文中の先行研究をなぞって調査研究の方法を学ぶ後期・自分自身で調査研究を行い、順に発表・発表をもとにクラス全体で積極的な意見交換を行うPICK UP1PICK UP2PICK UP3PICK UP5PICK UP4文学部日本文学科KOKUGAKUIN UNIV. 035

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