國學院大學 入学案内 2022
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國學院大學の受験では、『源氏物語』に関する問題が例年多く出題されていたこともあり、受験勉強を通して『源氏物語』に触れることで、古典文学の面白さに惹かれていきました。一方、父が長く台湾に赴任していたこともあり、高校時代には中国語も学習していました。そのため大学では、古典文学と中国語の両方を学べる中国文学科に魅力を感じ、入学を決めました。中国語は確かに難しい言語ですが、4年間懸命に学び続けたことで、中国語検定の「HSK」で5級を取得。中国語の新聞を読んだり、スピーチをすることができるまでに力が付いたことで、中国文学の学修はもちろん、中国の方との交流時にも大いに役立っています。また、「中国文学通史」は中国文学を学ぶうえで大きな礎になりました。中国文学の歴史は長いですが、その始まりから現代までの流れをたどっていくことで、中国文学が成立していく過程や読んでおくべき代表的な作品を把握することができました。そのため、自分の興味のある分野を絞り込むことができ、卒業研究のテーマに迷うこともありませんでした。卒業研究では、日本文学が生まれる以前に成立した中国文学の奥深さを探求したいと思い、『源氏物語』の作者である紫式部が愛読し、作品中に多く引用した白居易の漢詩をテーマに選びました。白居易は植物に関する詩を多く残しています。私自身、幼い頃から自然に触れながら育ったため、唐代の漢詩人がどのように自然を捉えていたのか興味が湧き、「白居易の植物表現について~元和十年以降の詩を中心として~」と題して卒業論文をまとめました。研究を進めるにあたり役に立ったのが、「楚辞演習」です。作者名が記された、世界で初めての文学作品である『楚辞』を読み解いていく中で、繰り返し行った翻訳や、古い文献を探す経験を積み重ね、文学研究における方法論の基礎をしっかりと身に付けることができました。卒業後は、幼い頃から病気がちで薬に助けられた経験があったことから、良い薬を多くの人に届けたく、医薬品メーカーへの入社を決めました。中国国籍を持つ社員の方も多く、将来的には中国での展開も見据えていることから、これまでに培った語学力と知識を活かし、会社と世の中に貢献することを目標としています。私が学んだ 知の源流4年間を通じて使える中国語を習得白居易の漢詩の世界に自分を重ね合わせる私が紡いだ 新たな知私が学んだ知の源流私が紡いだ新たな知2No.在学生インタビュー文学部 中国文学科 4年 [取材時] 柴田 遥佳 (千葉県立幕張総合高等学校 卒業)株式会社ツムラ 内定語学力を磨きつつ中国古典文学の世界に思いを馳せる。文学部中国文学科KOKUGAKUIN UNIV. 037

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