國學院大學 入学案内 2022
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授業紹介演習科目ピックアップ文学における「答え」とは、調べてわかるものではありません。自ら創り出すものです。演習では、教授者と受講生が試問応答の中で、その作者のその作品のその言葉の真意を「創り出す」場を提供します。そのためには、事前の思索が予習になります。演習では何度も指名されるので、自主的にグループ討論を済ませてから出席する学生も出てきたことには、私も驚きました。考える方法を身に付け、考える行為を研ぎ澄ますこと自体が、大学教育だと思います。その材料として、2300年前の激動の時代に絶望に抗った志士の絶唱「楚辞」を読解するのは、みなさんにも意義深いものとなるでしょう。楚辞演習 石本 道明 教授中国のさまざまな時代の詩文を通して中国文学の特質を理解する、いわば中国文学のメニューが示される講座です。辞書を頼りに作品を読み解き、中国文学に内在する普遍性に迫ります。1年次前期に習得した中国語文法の基礎内容を再確認するとともに、簡単な文章を読むことで、第一段階の読解力の養成を目指す演習です。テキストの朗読も行い、発音の間違いを随時指導します。使用する教科書は、現代中国の生活を題材に取った内容です。中国文学概説中国語演習Ⅰこの講義では、台湾でのフィールドワークに基づいて、地域の平安を神に祈る道教儀礼(祈安儀礼)や死者を供養するための道教儀礼について考えていきます。台湾のムラやマチでは、しばしば廟の祭りや死者供養の儀礼が営まれていますが、それらは道教の儀礼で行われることもあれば、仏教の儀礼で行われることもあります。そうした道教の儀礼や仏教の儀礼もただそれだけで成り立っているのではなく、そこには儒教的な要素や民間信仰的な要素が複雑に絡んでいます。複雑な様相の中で、道教の儀礼がなぜ人々に必要とされているのか、道教の儀礼は人々の信仰においてどのような役割を果たしているのかを捉え、さらにそこから漢族の民俗文化を探っていきます。本授業では、朱熹の『孟子集註』の講読を通じて、朱子学の入り口を学びます。孟子といえば、性善説をイメージすることが多いのではないでしょうか。朱子学でも性善説は重要となっています。朱熹は、聖人(知徳ともにすぐれた理想的な人格者)には学ぶことによって到達することができるとしています。つまり、性善説を背景として、人は誰しも、生まれついた時は善なる存在である。それ故に努力し、その善なる状態に復帰する必要があると考えたのです。このように朱子学に深く関連する『孟子』を朱熹の注釈を通して読解し、個人の修養、個人と社会との関わり方なども併せて考えます。中国民俗文化特殊講義A人文総合基礎III悲しみの表現の中に、希望や喜びをも見いだす。前期導入憤怒と絶望の中で投身自殺した作者・屈原の生涯をたどる一語一語を確認しながら解釈を積み重ねる本題PICK UP1PICK UP2PICK UP3PICK UP5PICK UP4文学部中国文学科KOKUGAKUIN UNIV. 039

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