國學院大學 入学案内 2022
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歴史に興味を持ったのは、子どもの頃に両親と城郭などの史跡を巡ったことがきっかけです。その後高校時代の日本史の授業で、教科書に書かれていないさまざまな逸話を習い、歴史の奥深さを再認識したことで大学で本格的に史学を学びたいと考えるようになりました。そのような時に日本史の先生から「歴史を学ぶのなら、國學院大學がよい」と薦められ、進学を決意。まず、史学を学ぶうえで重要な方法論を理解できたのは、「史学基礎演習」のおかげです。史料を読むうえでの基本的なルールや文献調査の方法、研究論文の書き方など、歴史研究を行うための基礎的な知識と技術を身に付けることができました。そして、ゼミでは実物の史料に触れる機会が多い近現代史を専攻したことで、歴史の捉え方が大きく変わりました。新聞や雑誌などの媒体も史料として残っており、歴史的な出来事が現代にも影響を及ぼしている。史学は遠い過去を知るだけでなく、その知識を現代につなげていく役割があることを実感できました。また、歴史的な事象をさまざまな側面から捉えることを通して、俯瞰した視点で考える力も身に付いたと感じています。卒業研究は、「迫水久常の経済観」をテーマにしました。迫水久常は、太平洋戦争で日本が降伏した際に流れた昭和天皇の玉音放送を起草した人物のひとりです。そのような重要な役割を果たした人物であるにもかかわらず、学術的な研究はこれまでほとんど行われてこなかったことを知り、自ら歴史を掘り起こしていきたいと考えました。研究を進めているうちに、ふとしたきっかけで祖父母が迫水久常と親交があったことを知り、歴史の奥深さをあらためて認識しました。先行研究が少なかったため、史料も乏しく苦労をしましたが、迫水久常の人物像を自分なりに描き出せたと思っています。卒業後は、大学で学んだ歴史の面白さを子どもたちに伝えたいという思いから教職の道へと進みます。中学校の社会科の授業では、ひとりの教師が歴史、地理、公民を教えます。私は4年間の学びから、これらが密接につながりあっていることを知りました。その知識を伝えることで、子どもたちには横断的に物事を捉える視点を身に付けて欲しいと思っています。そして、いつか社会に出た時に、授業を通して伝えたことを思い出してもらえれば、これほど嬉しいことはありません。私が学んだ 知の源流過去を読み解くだけでなく現代に活かすことが大切史学の面白さを子どもたちにも伝えたい私が紡いだ 新たな知私が学んだ知の源流私が紡いだ新たな知4No.在学生インタビュー文学部 史学科 4年 [取材時]松元 匠 (茨城県立牛久栄進高等学校 卒業)茨城県公立中学校教諭 合格文学部 史学科 4年 [取材時]松元 匠(茨城県立牛久栄進高等学校 卒業)いまにつながる近現代史の人物に光をあてる。文学部史学科KOKUGAKUIN UNIV. 045

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