授業紹介演習科目ピックアップ考古学実習室の扉を開けると聞こえてくるのは、教員が土器などの出土遺物を計測しながら説明する声や、飛び交う学生の質問。出土遺物の多くは研究室で保管・所蔵する本物で、学生は考古資料に対する観察眼を養います。前期は、調査に必要な測量や撮影などの記録技術を身に付け、夏季休暇中に寝食をともにしながら学生主体の発掘調査を実施し、後期に発掘調査成果を報告書としてまとめていきます。考古学は、物質的資料を用いて人類の過去を復元する学問で、過去の人々の活動痕跡を調べるには遺跡の発掘調査が欠かせません。発掘調査に必要な技術を修得するのがこの実習の目的です。考古学調査法Ⅰ・Ⅱ、考古学実習Ⅰ・Ⅱ青木 敬 教授人々は地域ごとの自然環境に適応して特色ある生業活動と生活様式の総体である地域文化を創り継承してきました。日本各地の伝統的文化の特色や、それを構成する諸要素(地域固有の伝統作物や食生活、儀礼や祭礼、習俗など)の空間的広がりを分布図から読み解き、地域文化の特色や個性を地域の歴史の歩みを踏まえながら講義します。地域の歴史を物語る地域史料は全国各地に膨大にありますが、現在、散逸の危機に瀕しています。この授業では、主に近世地域史料の管理・保存法を学び、原物の近世文書を一点一点読み解き、古文書の整理を実践します。史料を未来に伝え、活用するため、史学科の学生として必要な知識・技能を修得してください。地域文化各論II史料管理・保存論I・Ⅱこの授業では、東京・日本を代表するまち渋谷が、どのように生成・展開してきたのかを、史学科教員のリレー式講義を通じて明らかにします。渋谷は今、100年に1度ともいわれる再開発が進んでいます。例えば、あるアイドルグループは1964年から2013年まで渋谷のシンボルだった東急東横線渋谷駅のかまぼこ屋根駅舎の跡地で、渋谷ヒカリエを背にPVを撮影していました。しかし、同じ風景はすでになく、2018年には同地に新たな渋谷のシンボル「渋谷ストリーム」が建設されました。また、國學院大學の学生が通学路とする明治通りの脇にある「渋谷川」も、時代によってその役割を変えています。めまぐるしく変化する渋谷の基層にある地理的特質と歴史的変遷を捉えることが、この授業の狙いです。この授業ではロシアとその周辺地域の歴史を学びます。前期は20世紀の歴史、後期は古代から19世紀までの歴史を扱います。ロシアはキリスト教世界としてのヨーロッパの一部として発展してきましたが、古代から中世にかけてはビザンツ帝国などの地中海世界やモンゴル帝国などの中央ユーラシア世界から多くを学び、近世から近代には領土を太平洋沿岸まで広げてアジア・太平洋地域との関わりを深め、近代から現代には巨大な社会主義国家として世界に影響力を及ぼしました。授業では、ロシアと周辺地域の政治史・経済史・社会史・文化史を広く学び、ロシア・中東欧・中央ユーラシア地域を深く理解するために必要な知識を培います。渋谷の歴史西洋地域史Ⅲ・Ⅳ40年近い伝統を誇る、遺跡発掘調査実習。通年前期考古学調査法Ⅰ発掘調査に欠かせない「記録する技術」を修得夏季休暇中考古学実習Ⅰ・Ⅱ長野県安曇野市穂高古墳群(6~7世紀)の発掘調査考古学調査法Ⅱ発掘調査成果をまとめ発掘調査報告書として刊行後期PICK UP1PICK UP2PICK UP3PICK UP5PICK UP4文学部史学科KOKUGAKUIN UNIV. 047
元のページ ../index.html#49