國學院大學 入学案内 2022
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人間開発学部 健康体育学科4年 [取材時]武田 唯 (東京都立駒場高等学校 卒業)東京都公立中・高等学校教諭 合格できるできないではない、スポーツの価値を見出したい。子どもの頃、私は自分に自信の持てない消極的な性格であったにもかかわらず、運動が得意なことで目立ってしまい居心地の悪さを感じていました。しかし、中学校の体育の授業で「スポーツを通じて得られる可能性」がたくさんあることに気付かされ、自分の運動能力だけでなく自分自身をも肯定的に受け止められるようになりました。学科の学びにおいては、私自身、スポーツをすること自体に悩みを抱えた経験があったため、「スポーツ心理学」の授業から得られることは多かったです。スポーツを好きになる要因として、何かができた時に誰かにほめられたという経験が挙げられます。一方、スポーツを嫌いになる原因は、何かができなかった時の周りの冷ややかな反応によるところが大きいのです。そうした心理学的な現象は、現在のスポーツ教育の場にも大きな影響を及ぼしています。それに対して、教師の指導により、できるできないではなく、頑張っているかどうかに目を向けさせることで、スポーツに対する捉え方を変化させるという方法論は、多くの子どもたちにスポーツを楽しんでもらいたいと考えていた私にとって、とても刺激になりました。私は学生時代に3年間、母校のバスケットボール部で部活動指導員を務めました。その中で、スポーツに対してだけでなく、日常生活や人間関係においてさまざまな悩みを抱えている子どもたちに出会いました。いろいろな状況に置かれている子どもたちが人間として豊かに成長していけるように応援したい。そうした気持ちが強くなり、特別支援学級の支援員を務めました。また、卒業研究では、「意思の表出に困難をかかえる障害者とのコミュニケーションの研究」というテーマのもと、未経験者の筆談のスキルアップの過程を調査しました。そこで得た経験を支援が必要な子どもたちの教育に活かしたいと思っています。公立中学校の保健体育教師は、自分の経験を最も生かせる仕事です。しかし、大学での学びを通して、ただ技術を教えるだけでなく、もっと本質的な教育を施すことの重要性を認識しました。今の私の目標は、スポーツを通して子どもたちの自己肯定感を高めていくことです。広い視野を持って子どもたちの長所に気付き、それを伸ばすことで、自信を持って歩んでいける人間を育んでいきたいと考えています。私が学んだ 知の源流スポーツ心理学を指導の現場で活かすスポーツを通して子どもの自己肯定感を高めたい私が紡いだ 新たな知私が学んだ知の源流私が紡いだ新たな知2No.在学生インタビュー人間開発学部健康体育学科KOKUGAKUIN UNIV. 091

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