國學院大學 入学案内 2022
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幼稚園に通っていた時、雨の中、遊具で遊ぼうとしていた私を怒らずに優しく諭してくれた先生がいました。大人になってもそのことをずっと覚えており、いつか子どもに寄り添えるような幼稚園の先生になりたいと考えていました。そんな私にとって、恵まれた環境の中で教育を学べる國學院大學は理想的でした。「教育の方法と技術」の授業では、子どもを理解することからはじめ、グループで教育の仕方を検討します。私は自分が正しいと思う意見を出したつもりでも、別の人が全く異なる意見を発表することもあり、それに対して納得できる部分も多い。そうした作業を続けているうちに、自分の考えに偏った部分があることを認識でき、人の意見を柔軟に取り入れることができるようになりました。楽しくもあり、そして自分自身の糧にもなったのが、「保育内容(表現)」の授業です。私たち自身が実際に手足に絵の具を塗って、紙にペタペタ絵を描き、それが何に見えるかを問われます。答えると、それを自由に身体で表現してみるように言われるといった子どもの気持ちになって遊ぶ経験を大人になってからできたことで、子どもの心理に対する理解が一層深まりました。私はボランティアとして公立幼稚園のお手伝いをするようになり、3年次からは臨時職員として同じ園に勤めるようになりました。その中で、自身の指導が子どもたちにダイレクトに反映される様子を見て、幼稚園の教諭は、人間の成長の一部に関わり、人生の大切な土台を作る仕事なのだと実感しました。子どもの教育に携わることはとても価値のあることですが、責任もその分大きいものです。子どもにとって良かれと思ってさせた体験も、乗り気でない子どもには負担になる場合もあります。その反面、子どもに気を使って言うことを聞きすぎると、相手を軽んじるようになってしまう。子どもの言葉や表情からできる限りのことを読み取り、時には厳しく叱るのも大事だということを学生時代に経験できたことは、これからの仕事においても大いに役立つことと思います。将来の目標は、子どもたちが楽しく園生活を送れるように、できる限りの努力を続けていくことです。そのためには、まず自分が楽しい人生を送らなければなりません。日頃からさまざまなことにアンテナを張り巡らせて、感性を豊かにし、園児たちに伝えられる楽しい経験を重ねていきたいと思っています。私が学んだ 知の源流子どもの目線に立つことで、子どもの心理への理解が深まったより良い教育を行うために、自分の感性を磨いていきたい私が紡いだ 新たな知私が学んだ知の源流私が紡いだ新たな知3No.在学生インタビュー人間開発学部 子ども支援学科 4年 [取材時]西澤 香純 (東京都立三田高等学校 卒業)東京都 特別区立幼稚園教諭 合格子どもの気持ちを深く察知して、人間形成の土台を作りたい。人間開発学部子ども支援学科KOKUGAKUIN UNIV. 095

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