文学部6時限「異世界」から読み解く日本文学史5時限2時限4時限3時限中学校教員として、3年間という短い時間の中で生徒の成長を近くで感じながら、自分が憧れた恩師のように生徒のその後の人生に良い影響を与えられるよう、日々努力しています。実際に働いてみると、想像していた以上に「教わる」・「学ぶ」場面が多い職業だと気づきました。日々の授業づくりでは、大学で身に付けた「情報活用能力」を活かして必要な情報を取捨選択し、生徒たちになるべく分かりやすく伝えるよう工夫しています。文学部が主催する高校生のための新たな学びの場、それが「國學院大學 文学塾」です。第5期の開催は、令和4(2022)年3月26日(土)にオンラインLIVE配信にて行われました。文学部の専任教員が講義を実施し、高校1・2年生はもちろん、卒業間近の現3年生や中学・高校の先生方なども多数ご参加いただきました。※写真は在学時のものです。KOKUGAKUIN UNIV. 048卒業生VOICE 日本神話の■と■谷口 雅博 教授専門分野:日本上代文学/『古事記』・風土記欧米圏のホラー映画における異界、メディア、メディアム(霊媒)上石田 麗子 准教授専門分野:英語/英国20世紀文学・文化真実と■話小手川 正二郎 准教授専門分野:西洋近現代哲学/現象学統一テーマ講義異界・メディア(媒体)・伝達伊藤 龍平 教授専門分野:伝承文学中国語の話呉 鴻春 准教授専門分野:中国語/中国語教育の研究オーロラをめぐる言説と江戸時代の人々岩橋 清美 准教授専門分野:日本近世史/社会経済史・文化史・地域史10:00〜10:45日本神話には様々な小道具が登場します。その中には我々にとっても身近な物が多く見受けられます。本講座では、日本神話に登場する「箸」と「櫛」を取り上げ、神話に見られるこれらの小道具にどういう意味が込められているのか、そして神話の解釈にどう関わっていくのか、考察します。特に、「箸」と「櫛」が両方出てくるヤマタノヲロチ退治神話を中心に考えて行きたいと思います。13:00〜13:45欧米圏のホラー映画におけるメディア表現を検証します。映画においてメディアが異界を召喚する手段や恐怖の媒介物として使われていることを論じます。そして、欧米圏のホラー映画の影響を受けたJホラーにおけるメディアの使用方法を分析します。メディアはどのように恐怖演出の手法や「恐怖」の観念に影響を与えたのでしょうか。全体的に、メディアとメディアム(霊媒師)を通底するテーマとします。15:00〜15:45私たちはうわさ話、さらにはフェイクニュースを単なる「嘘」「虚偽」とみなしがちで、かつ、信じやすい傾向があります。そうした虚偽と対置される「真実」というものを、そもそも私たちはどのようなものとしてとらえているのでしょうか。講義では、哲学的観点(とりわけ現象学と呼ばれる哲学の一領域)から、真実と噂話の見分けがたい境界線について、受講者と一緒に考えていけたらと思います。修得した「情報を活用する力」が授業づくりにも活きています。11:00〜11:45日本では大学に入学後、多くの学生が中国語を履修します。日本の大学生が中国語と呼んでいるのは、「普通話」(プートンファ)のことであり、政府が定めた共通語です。また、この「普通話」は、発音・語彙・文法の三つの方面から定義されている言語でもあります。本講義では、「普通話」と方言のことから説明を始め、中国語学習に大切な発音・語順、また書体(簡体字)にも論じ及ぶ予定です。14:00〜14:45「オーロラ」というと、北欧の夜空が思い起こされますが、前近代においては日本各地でも見えたことが明らかにされています。その様子は、藤原定家の『明月記』などにも記されており、「赤気」と呼ばれていました。ここでは、明和7年7月28日(1770年9月17日)に現れたオーロラに関する史料をもとに、当時の人々がこの珍しい天文現象をどのように理解していたのか、また、その情報がどのように伝播していったのかを紹介します。16:00〜16:45近年、「異世界もの」と呼ばれるジャンルが、ライトノベルやマンガなどで人気を博しています。そうした主人公が何らかの理由によって異世界(ここではないどこか)に行く、あるいは、異世界から何者かが来るという物語は、日本の古典文学や伝承文学(神話・昔話・伝説など)に多く見られます。この「文学塾」では「異世界」を軸に、日本の文化について考えてみます。2021年卒業 松元 匠さんつくばみらい市立小絹中学校 勤務[取材時]高校生のための学びイベント、「國學院大學 文学塾」第5期はこんな時間割でした!1時限次回開催の情報は、決定次第文学部ホームページ・EVENTSコーナーにて公開します。文学部INFORMATION
元のページ ../index.html#51