KOKUGAKUIN UNIV. 008した。長年男役に憧れていたことや、学ランを着て格好良く応援する姿に惹かれたことがきっかけで入団を決意。これまで、野球や箱根駅伝など、体育会系の部活動の応援をしてきましたが、勝利の瞬間や素晴らしいプレーを目の前で見て、会場を盛り上げることの大切さを学びました。選手の皆さんに國學院大學の一員でよかったと思ってもらえるだけでなく、観客の皆さんに國學院大學を応援してよかったと思ってもらえるようなパフォーマンスができるようになりたいです。その他には、事後学習と称して、学部の友人たちと授業で登場した場所を訪問する活動を行っています。まち歩きをしながら、地域の長所や課題などを見つけていくんです。現在はインターネットが普及していて、遠方でも写真や情報を調べられるので、なんとなくその土地のことを分かった気になります。でも実際に行ってみると、思ったより栄えていたり、他のまちとの共通点が見られたりと、現地へ行ってみなくては分からないことがたくさんあります。色々な土地を訪れるうちに「もっと行ってみたい」と思うようになり、まち歩きがより好きになりました。 まち歩きをしていて印象に残っているエピソードはありますか?前期の「まちづくりと観光」の授業で、よく知っている都市の個性を考察する、というレポート課題が出され、この機会に、以前から興味があった千葉県の幕張新都心を、授業で学んだことを活かしてもっと観察してみようと出向いたときのことです。「新都心」というイメージにぴったりの美しい高層ビルや道路が広がっていましたが、栄えているのは駅前のエリアだけなのではという思いから、もう少し足を延ばしてみることに。すると、海の方面に集合住宅を見つけました。同じ高さ・デザインのカラフルなマンションが連なっていて、外国のような風景に驚くとともに、このエリアは住宅街として形成されたのだなと実感しました。さらに海の方に行けばヤシの木が生えていてリゾートのような雰囲気があったり、駅の方に向かうと文教地区が広がっていたりと、「新都心」にも多様な面があると学ぶことができました。まちに対する自分の思い込みが覆される瞬間は、本当に刺激的な体験です。 将来の目標や今後の展望について教えてください。まだ具体的なイメージが持てていませんが、鉄道が趣味のひとつということもあり、鉄道地図やスマホを手に地域を巡る女性リーダー部員として部に新風を起こす会社が中心となったまちづくりについて学びたいです。宝塚音楽学校受験の際、宝塚歌劇の創始者である小林一三氏が阪急電鉄の創業者でもあり、沿線のまちづくりに取り組まれたことを知りました。現在住宅街となっている豊中や北千里は、元々田園地帯だったのを「市街地・梅田まで電車一本で行けるニュータウン」として開発されたエリアだったそうです。私たちが横浜たまプラーザキャンパスに行くときに利用する、東急電鉄の田園都市線も同じような役割ですよね。そうやって、鉄道会社が沿線の住宅開発を行うという小林氏のアイデアが今も受け継がれているのは、すごいことだと思います。過疎化によってシャッター通りとなった商店街が日本各地で問題となっていますが、私の祖父母が住む地域も平日は人通りがなく、例外ではありません。地域のコミュニティを活性化させ、そのまち本来の景色や人の関わり合いが後世に残せるようなまちづくりを目指して、これからも勉学に励みたいと思います。武内 陽菜観光まちづくり学部観光まちづくり学科1年[取材時]1期生として観光まちづくり学部に入学。趣味であるまち歩きや観光を学問的に学び、理想のまちづくりについて考えている。
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